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1963 ビュイック・ルセーバー

ビュイック
11 /28 2016
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写真は1963年のビュイック・ルセーバーです。

ルセーバーが登場したのは59年、あの凄まじい顔の年ですが、上級車のエレクトラに比べ、少し小さいBボディーを採用しています。

どのメーカーもそうですが、アメ車は皆59年を最後に、テールフィンは縮小し、以降、年々シンプルなデザインになって行きました。

シボレーでは、61年を最後にテールフィンが完全に無くなったのに対して、高級なビュイックは、写真緒モデルもそうですが、翌64年モデルでも、若干のテールフィンの痕跡が見て取れます。

当時のGMでは、テールフィン=高級という図式が残っていたのかも知れません。

それにしても、この車・・・本当に当時のままという感じで、ボロイです。

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この家の前は結構通るのですが、以前はボロボロのBMWやメルセデスが停まっていたり、そういうボロボロな車が好きな人が居るのでしょう。

しかも、路上駐車出来るということは、あの高額な保険にも加入しているという事ですから。

見たところ、ナンバープレートも当時の物の様です。

こうやって見ると、やはりビュイックのアイデンティティーであったフロントフェンダーのエアスクープ…目に付きますね。

そして、よく見かける同時代のシボレーより、やはり良く見えます。

この頃は、50年代のテールフィンから脱却し、60年代のコークボトルラインになるまでの、丁度過渡期だと言えるでしょう。

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前年までは、50年代の雰囲気を多分に残しているのに対して、この年からは、より直線的なラインになっています。

64年には、あのリビエラが登場していますが、やはりアレが、アメ車のデザインの大きなターニングポイントだったのではないでしょうか?
ルセーバーも、よりシャープなスタイルへと変貌しています。

65年からは、よりグラマラスな如何にも60年代・・・というスタイルに変化すると共に、完全にテールフィンからは決別することになりました。






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ビュイック・リーガル

ビュイック
05 /31 2016
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先日酷評したポンティアック・グランプリですが、丁度その兄貴分のビュイック・リーガルをカメラに収めました。

最終モデルでも20年経っていことが信じられない位に綺麗で、恐らくワンオーナーで年配の方が乗っているのでしょう。

それにしても酷いデザインです。

Wカーは、とにかくプロポーションの悪さが致命的なのですが、その中でも何が悪いか…というと、やはりCピラーの形状だと思います。

当時のWカーは、どれもグラスエリアを大きく取りたかったのか、Cピラーをこうやってガラス張りにした様なデザインでしたが、これでは安定感が出ないのは当然です。安定感どころか、グリーンハウスが完全に宙に浮いてしまっています。

そこで、その辺りを中心に、フォトショップで弄ってみました。

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その結果が、此方です。

やはり、Cピラーの形状だけで、全く受ける印象が異なりますね。

ただ、この車の場合、予想通りコレだけではダメで、結構アチコチを細かく弄っています。

中途半端な高さのトランクを少し持ち上げ、妙に丸っこいリアガラスを少し直線的にし、リアドアの後部のラインも少し整形してあります。

あとは、ドアガラスの下端、つまりベルトラインですが、オリジナルでは、妙に丸っこいラインがだらしなく見えるので、直線的に整形してあります。

正直言うと、リアのホイールアーチを始め、フロントマスク等、弄りたい所はまだまだあるのですが、コレ位なら、もう少し評価もマシだったのではないでしょうか?

改めて弄ってみて、これはカッコイイ訳が無いです。

因みに、このwカーの特徴は、金太郎飴化したGM車の反省から、ブランド毎の個性を徹底的に追求したはず…なんですが、ポンティアック・グランプリのセダンは、グリルとテールランプ以外、全く同じ格好をしており、ココでもGMのバカさ加減を存分に発揮しています。

80年代当時、重病のGMを鞭打ち、徹底的に引きずり回した挙句、更に病状を悪化させたロジャー・スミスCEOは、Wカーの失敗の原因を質問され、分らないと答えています。一度でもこの車を目にしたら、大抵の人は瞬時に理解するのですが…GMの経営陣というのは、その程度だったのです。

ビュイック・リビエラ

ビュイック
02 /18 2016
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ビュイック・リビエラ・・・隣のカローラに比べ、物凄く容積が小さく見えます。

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かつて、様々な姿で人々を驚かせたリアビューも、当時のGMで一般的だったシビアノッチバックになってしまいました。


古い写真を整理していたら、こんなのを発見しました。

ビュイック・リビエラ…これは、86年に登場したモデルで、他の同時代のGM車と同様、先代に比べ、大幅なダインサイズが施されています。

リビエラとしては、先代よりFFになっていますが、横置きFFになったのは、このモデルからになります。

エンジンは、V8が落とされ、ビュイックの3.8リッターV6一本となり、そのパワーも200馬力を大きく下回る体たらくでした。

この世代のEボディーは、V8の残されたキャデラック・エルトラードはともかく、オールズモビル・トロナードと共に、極度の販売不振に陥りました。

正直このデザイン、同時期のポンティアック・グランダムのクーペと全く変わり映えがしないのです。

金太郎デザインと言われた当時のGMの中で、この手の高級クーペが一番割りを食ったのではないでしょうか?


この車の一番の見所は…というと、ビュイック・グラフィック・コントロールと呼ばれる情報システムで、この時代、既にタッチパネルを採用していました。
オーディオからエアコン、その他車両情報、トリップコンピューター等を全て、一つの大型パネルで操作するというのは、非常に斬新な物でしたが、少し早過ぎた様です。

この世代は、初年度から僅か22000台と不振を極め、88年からは、全長で280ミリという大幅なサイズアップが図られましたが…それでも特別魅力が有った訳では無く、不人気のままに終わり、この世代を最後に、一旦、リビエラとトロナードは姿を消すことになりました。

しかし、こんな車でも、モータートレンド誌のカーオブザイヤーに選ばれていたりします。あの雑誌は、シボレー・サイタイションを選んだり、全くメディアとしての資質を疑います。

かつてリビエラといえば、誰もが振り返る様な大胆なスタイルで、60年代前半、セダンもクーペも代わり映えのしなかったアメリカのデザインに一石を投じたものですが、この頃には、ポンティアック・グランダムの兄弟車、若しくは後に登場するWカーのビュイック・リーガル程度にしか見えなかった…その辺りが不振の最大の原因であったと思います。

88年のサイズアップは、流石に中型クラスのWカーより小さいのは拙いだろう…という事だったのかも知れませんが・・・。

何れにしても、80年代半ばのGMの無理なダウンサイズ、金太郎飴デザイン、そして原油安の最大の犠牲者なのは確かでしょう。

トロナードと共に93年モデルを最後に生産中止となり、数年のブランクの後、リビエラのみが2ドアクーペとして復活しています。この世代の反省から、かなりデザインには請ったものの・・・正直過剰デザインからか、イマイチな印象は否めず、再び欠番モデルとなってしまいました。

1965 ビュイック・リヴィエラ

ビュイック
04 /05 2015
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ビュイックにリヴィエラという名前が最初に登場したのは、49年モデルですが、当初はロードマスターのピラーレス・ハードトップ版の愛称でした。

その後は散発的に使われていたものの、独立したモデルとして登場したのが63年で、写真のモデルの世代に当たります。

フォード・サンダーバードのライバルと言えるモデルで、価格も4000ドルを超える、当時としては比較的高価な2ドアクーペでした。

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当時のアメリカでは、あらゆる車種にセダン、クーペ両方が用意されていましたが、実質的にクーペは、2ドアセダンといった印象だったのに対し、リビエラは、サンダーバードと並び2ドアクーペ専用ボディということもあり、その徹底したスタイルが、非常に印象的な仕上がりとなっています。

60年代、車のデザインは大きく変わりましたが、50年代からの決別という意味で、この辺りがターニングポイントになったのではないでしょうか?

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写真は、この第一世代の最終型、65年モデルです。この年の特徴は、ヘッドライトの無い凄味のある顔つきですが、グリルの両端にあるギザギザが上下に開くと、縦目の4灯ヘッドライトが姿を現します。

デザインばかりでなく、シャシーも、リビエラ専用といえるもので、非常にコンパクトな上に、運動性能も、当時のレベルでは非常に高いものであったと言われています。

現在、箸にも棒にも掛からない糞車を量産(・・・と言える程売れているかどうかも怪しいですが・・・)するビュイックも、こんな魅力的な車を作っていた時代があったのです。

今のビュイックに欠けるもの・・・というか、逆に何があるのか?と問いたい位です。

見た感じ、アチコチに錆が浮いており、余り大事にされてきた様にも見えない固体ですが、元々台数の多い車ではないので、こうやって街で見かけることは殆ど無く、精々ショーなんかで見られるか・・・という位の存在で、非常に貴重なものだと言えるでしょう。

デトロイト・オートショー2015 ビュイック・アベニール・コンセプト

ビュイック
01 /18 2015
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年始の風物詩といえば、デトロイト・オートショーが挙げられます。今年のデトロイトショーの特徴は、兼ねてからの原油価格の下落のせいか、全体的にパワフルなモデルが目立つ様です。

ほんの半年ほど前、例えばシアトルにてガソリン価格が1ガロン3.5ドルを超えていましたが、今日、2ドルを下回るまでに下がってきました。

そんな中で発表された様々な車ですが、私の目を引いたのは、ビュイックの次期フルサイズカーのコンセプトモデル、アべニールでしょう。

アベニールという名前…日本人としては、どうしてもニッサンの某廉価版ワゴンを思い浮かべますが、フランス語の「未来」という意味だと言えば、少しはエキゾチックに聞こえるでしょうか?

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エンジンは、直噴型シリンダー休止機能付きのV6エンジンに、9速のオートマチックが組み合わされ、後輪を駆動します。
プラットフォームは、アルファ・プラットフォームと呼ばれるもので、現在のCTSの拡大版の様です。

近頃のGMのFRプラットフォームは、何かとオーストラリアのホールデン・コモドアのものを伸ばしたり縮めたりしたものですが、恐らくコレも、その一種だと思われます。

兄弟車として、既に知られているキャデラック・CT6が先行して発売される様です。

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それにしても、このデザイン…良い悪いは別にして、何とも大胆じゃないですか…。

特にリア周りの造型は、かつて「ボートテール」と呼ばれた、ビュイック・リビエラを思わせるものがあります。

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ビュイック・リビエラのボートテール


キャデラックがプレステージカーであるのに対して、ビュイックといえば、労働者階級の高級車として、100年以上の歴史を持つブランドですが、近年の低迷振りは見るに堪えないもので、最高級車のリーガルでさえ、オペル・インシグニアのバッジエンジニアリングという情け無いものでした。

写真で観る限り、コンセプトカーとは言え、最終段階に近いことは見て取れます。ホイールなんかは、若干のサイズダウンがあると思いますが、その場合、との程度のバランスで出てくるか…実は、この辺りが車のデザインに於いて、Cピラーと共に非常に重要なのですが、近年のGMは、尽くこの辺で失敗しています。

市販には、もう少し時間がかかるでしょうが、その辺りで頑張って貰いたいものです。




americancars4ever

アメ車のブログとして開設して13年目、車以外にも様々な身の回りの話題を取り扱っています。