ヒュンダイのデザイン
カーデザイン スタジオ
最近街で見かける車で、チョット印象に残るデザインというと、ほぼ毎回ヒュンダイだったりします。
この10年、特に中国をメインマーケットに据えたヨーロッパ車のデザインの肥大化と劣化も激しいところがありますし、事実ヨーロッパに行った時、全く景観に合わない醜い車ばかりだと思ったものでした。
日本車は当然、評価にすら値しない最悪レベルです。
そんな中で最も目を引くのが、ヨーロッパから人材を入れて、デザインの革新を行ったヒュンダイ、そしてキアだったりするのが実に皮肉なことです。

写真はEVのIONIQ5ですが、一見先進的なデザインに見えながら、無駄なラインが無く、シンプルかつ洗練されたライン使いで、全てのラインに一貫性があります。
そして各部が昔ながらのデザインの基本に対して忠実なのも見逃せません。私は以前から、デザインの要はCMピラーであること、その形状次第でデザインは死ぬということを行っていますが、その辺りも見事なまでに完璧なバランスを見せています。
フロントマスクも、90年代初頭のデザインをより進化させた様な感じで、下品なツリ目とは無縁で、非常にバランスの良いものです。
この車に関しては、非常に未来志向の雰囲気に仕上がっていますが、逆にクロームを多用して、レトロな雰囲気に仕上げることも可能かと思います。それだけバランスの良い、普遍的なデザインなのです。
コレに対して日本のデザインといえば、多くの無意味なラインがうねり回って、お互いに喧嘩して、全く一貫性のない不気味かつ無意味なデザインばかりです。かつては日本車を下敷きにしていたヒュンダイのデザインですが、その日本車から離れることで、驚異的なまでに進化しているのです。
現在ヒュンダイは世界第三位となっています。トヨタvs VWの次につけている訳ですが、要するにニッサンもホンダも完全に後塵を拝している訳です。確かに品質では一歩譲ったとしても、此方で新車を買う人は、一人で10年乗るというケースは比較的少数派で、大体5年位で乗り捨てるのが一般的で、そうなると、安価でカッコいいヒュンダイの方がうれてしまう訳です。
私は個人的に世の中全てEVになるとは思っていないので、日本車が駄目になった、トヨタは終わった・・・なんていうネット記事は信用していませんが、しかしデザインに関しては、もう少し何とかしないとヤバいでしょう。
やはり日本人だけでやっているのは限界なのではないでしょうか?日本の一流大学でデザインを勉強したところで、そんなのはタカが知れています。要するに一流大学に入るためだけに受験戦争で消耗してエネルギーのない社員ばかりの日本・・・コレも衰退の原因なのは間違い有りません。
本当に欲しいと思える車が無いですしね・・・。
スポンサーサイト