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昔カワサキZ400FXを安く買った話

カワサキ
05 /27 2019
あるブログの投稿に出ていた話しです。

その方曰く、昔、Z400FXを先輩に安く売って貰った…という類の話をする人が時々いるけれど、ソレはみな嘘か、余程気前の良い人間のできた先輩が居たかのどちらかだ...と。

そこで彼が出しているソースが、ミスターバイクBGも88年8月号なのです。確かにそれでは、FXは軒並み50万オーバーになっています。

88年当時、FXは最初期でも9年目であり、その当時ですら既に50万オーバーだったのに、ソレが数万程度で手に入った訳がない…という訳です。

恐らくその方は、当時を知らない方なのでしょう。

日本で旧車の値段が暴騰したのは、87年にZ2ブームが起きた時でした。ソレまでヤマハオートセンター(レッドバロン)で15万でも見向きもされず、隅で埃を被っていたZ2の値段が暴騰し始め、夏頃には80万という値段を付ける様になったのです。

ソレから少し遅れて400にも波及してくる訳ですが、87年の秋頃からでしょうか?CBX400FやFXといった車種まで40万を超えるような値段が付く様になったのは…。

要するにその方がソースとして挙げている88年の時点では、既にFXが値上がりし始めた後な訳です。

その値上がりが始まる前では、レトロブームなどという風潮は皆無で、皆が皆、より新しく、よりレーサーに近い新型に熱狂していた時代で、しかも人気車だった故に台数も多いことから、旧型のFXなんか安く取引されており、珍走系に大量に乗り潰されていたのです。

そして凄まじく雑に扱われた車体が多かったモノが、レトロブームの影響で、急に程度の良い???車体が増えたモノでした。

今でこそプレミア付きで扱われるXJやホークだって、車検切れ現状渡しで1桁ですら見向きもされなかったのです!

CB750なんかは、台数が多い上に、免許取得が困難で、しかも1年車検とあって、空き地で朽ち果てているような存在だったのです!

この時代を知らない人には信じられない話かも知れませんが、日本という国は、元々中古車の価値が非常に低く、特に80年代のバイク乗りの殆どであった10代の若者にとって、車検費用は非常に大きく、しかも毎年新型が出て旧型が見向きもされなくなる時代…それ故に車検切れの車両がタダ同然で売り買いされるというのも、珍しい話ではなかったのです。

よって、FXの話が嘘…というのは、間違いなのです。もう少し古いソースが有れば良かったですね。
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カワサキGPZ750R

カワサキ
08 /18 2016
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70年代、Z1系のエンジンで一世風靡したカワサキですが、80年代に入ると、国内ではZ1系のエンジンは姿を消し、Z650系のエンジンをベースにしたZ750FXⅡ、FXⅢ、フューエルインジェクションのZ750GP、GPZ750Fと矢継ぎ早にモデルチェンジを繰り返しましたが、そのコンパクトさが災いしてか、イマイチ評価を得るに至らず、ホンダがCB750Fで圧倒的な人気を博したのは、実に対照的でした。

そんな中で、1984年、久々に完全な新設計として登場したのが、カワサキGPZ900R、そして、国内モデルのGPZ750Rでした。

サイドカムチェーン式の水冷4気筒は、908ccで115馬力を叩き出しました。
これは、先代の、より大きな排気量のZ1系のエンジンを持つGPZ1100と比べても、同等のものであり、軽量かつ高剛性な車体廻り、優れた空力と併せて、最高速度は250キロにも達しました。

国内では、当時の750cc以上の自主規制にあわせ、ボア、ストロークを縮小したGPZ750Rが発売され、カワサキのナナハンとしては、久々の大ヒットとなりました。

80年代、日本のバイクは急速な性能向上を果たしますが、このバイクこそが、現在の大型スーパースポーツの直接の先祖と言えるのではないでしょうか?正直あの時代、コレに比べたら、従来の空冷4気筒車が急速に陳腐化して見えたものでした。

このバイクで強烈に印象に残っているのは、精悍なスタイルもそうですが、やはり、その排気音でした。70年代後半以降、バイクの排気音は静かになる一方であったのに対して、このバイクのソレは、恐らく規制値ギリギリだったのではないでしょうか?図太く力強い音は、瞬時にソレと判別できたものでした。

アメリカではニンジャというペットネームで呼ばれ、その呼び名は日本でも一般的になり、円高によって身近になった逆輸入車の900、国内の750共に、大いに人気を呼んだものでした。

後に、GPZ1000RX、ZX10といったニューモデルが発売されたにも関わらず、特に日本では、そのスタイルからか、人気を保ち続けました。

反面、85年のプラザ合意以降の急激な円高の中、国内モデルのナナハンと、逆輸入車の900との価格差は縮まり、その事から、750は比較的短命に終わっており、後に900も国内で正式モデルとして発売されましたが、コチラは100馬力に抑えられており、この事からも、引き続き逆輸入も行われました。

ただ、正直私としては、特別乗って印象に残るバイクではありませんでした。あの強烈な排気音とは裏腹に、トルク感も薄く、あくまでも普通にスムーズに乗り易い…という印象しか無かったのです。

そのせいでしょうか?とにかくオーナーが改造に金をかけるバイクであったと思います。

週末の第三京浜の保土ヶ谷パーキングに行けば、一体何台のニンジャが居たことやら・・・?

レーサーレプリカばかりになっていく市場の中で、独自路線を保ち続け、そして支持され続けたと言う意味でも、名車と言えるでしょう。

しかし、かつてあれだけ沢山見かけたのに、現在日本でも全く見かけないのは、寂しいものですね…。コチラでも、正直一度も見たことがありません。

まさか、日本のバイヤーの餌食になったんでしょうか?

カワサキGPz400

カワサキ
04 /07 2016
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83年のパワー競争に於いて、カワサキが投入したのがGPz400でした。

前年のZ400GPの発売から僅か一年というタイミングで登場しましたが、空冷2バルブDOHC4気筒エンジンのままで、ボアxストロークを変更し、51馬力まで向上しました。

このショートストローク化に関しては、確かに高回転高出力化へのメリットも有りましたが、私が思うには、「新設計のエンジン」に見せる…という理由もあったと思うのです。

前年のGPは、ホンダCBX400Fよりも後に発売されたにも関わらず、CBXで認可されたオイルクーラーやカウルの認可を取ることが出来ませんでした。

当時のお役所の理由は、あくまでもGPは「FXの改良版」であるとして、その必要性が無いという判断を下されたからだったのです。

そんな中でカワサキとって最小限の投資で出来る事…といえば、このボアxストロークを変更する事で、「新型エンジン」に仕立てる事だったのでしょう。

それが功を奏してか、このモデルには、他社と同じく、最初から本格的なカウルが装備されていました。

デザイン的には、1100~250まで、皆共通したスタイルで、見た目400も750も区別が付かない…というのは、大型免許が夢のまた夢であった時代、中免ライダーにとって、嬉しい事でもありました。

しかし、このバイクもGP以上に寿命が短く、同年末には、54馬力にアップしたGPz400F、そして、カウル無しのFⅡにマイナーチェンジしています。

このタイプが先代と比べて一番進歩したのは、馬力よりも、むしろその取り回しだったと思います。
GPは、その重心位置の高さから、非常に大柄かつ取り回しの重い車種だったのですが、フロントホイールが18インにになったこともあり、かなり取り回しが楽になりました。

86年には、水冷化されたGPz400Rが登場しますが、その後も継続販売され続け、後にこのエンジンは、ゼファーのベースにもなっています。

83年の時点で54馬力も出ていたのだから、ゼファーの登場前、6年の技術差を考えれば、楽に規制値の59馬力は達成しているだろう…なんて予想していたら、驚いたことに46馬力…まあ、GPzの頃は、グロス値で、ゼファーの頃はネット値になっていたことを考えれば、パワーダウンは仕方ないのですが…当時はそんな事知る由も無く、落胆したものでした。

登場した時から、何となく地味で、ニューモデルが出た後も、レプリカ全盛の中、地味ながらも健気に生き抜き、ゼファーの爆発的なヒットの陰に隠れ、人知れずその姿を消して行きました。

結構新車の割引も大きく、中古車も手頃な値段であったので、候補にも上がっていたのですが、GPが好きであった私にとって、どうしてもイマイチ本気になれない…という車種でもありました。

後にGPを手に入れてから、GPzの良さを再確認しましたが…。

カワサキZ400FX

カワサキ
03 /02 2016
このシンプルな赤は、実に印象的でした。
このシンプルな赤は、実に印象的でした。

とっくに取り上げたと思っていたら、まだだったので、遅ればせながら取り上げます。

カワサキZ400FX が登場したのは79年、77年に生産中止になったホンダCB400Four以来、久々の400cc4気筒でした。

1975年、急に施行された中型免許制度の影響で、それまで人気の有ったナナハンは、正に雲の上の存在となってしまいました。

そんな中で、中型免許で乗れる最大排気量の400ccが注目を集める様になり、その中でも、CB400four(ヨンフォア)やスズキGT380といった、大型車と同等のメカを持つ車種に人気が集中する様になりました。

ところが、その大人気のヨンフォアも、コスト高を理由に生産中止になり、2気筒のホーク2にバトンタッチ、GTサンパチも、2スト衰退の波に飲まれて生産中止、残るは4ストツインと、古臭い2ストばかりという実に活気の無い時代・・・世界最大かつ最も4ストのノウハウを持つホンダですら採算が合わないということは、もうこのクラスに4気筒が出ることは無い・・・と誰もが思っていただけに、このFXの登場に、ファンは狂喜したのでした。

ヨンフォアが成功しなかった理由は、それが単一の車種であり、それ故のコスト高であった為、FXは輸出仕様には、よりパワーのある500ccを用意し、その兄弟車とする事で、採算ラインに乗せていたのです。

兄貴分と車体を共用することで、400としては異例な程大柄な車体で、その事も、大型車に憧れる中型免許のライダーに支持されたのです。

まあ、実際の走りは・・・正直、馬力はクラス最高ながら、190キロ近い重量に、重心の高さから来る取り回しの重さも手伝って、間違いなくホーク系の方が軽快で速かったのですが、重厚な乗り味という面で、大いに支持されたものでした。

コレを切っ掛けに、各社、このクラスに4気筒をラインナップする事になり、やがて空前のバイクブームが起こりましたが、正に、それまでの停滞感溢れるバイク業界に蓄積された鬱憤を一気に晴らす様でした。

同時期に登場したCB750Fと共に、80年代のバイクブームの先駆けとして、記憶される車種だと思います。

1982年型 カワサキZ550GP

カワサキ
12 /01 2014
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非常に前後サスが長く、ロードクリアランスが大きいのが分かります。


日本では、Z400GPとして販売された車種の輸出仕様車です。

日本ではZ-GPと呼ばれていた車種ですが、海外では、サイドカバーのロゴが示す通り、GPZと呼ばれていました。
日本でGPZという呼び名が登場するのは、翌83年モデルからで、この82年のZ-GPは、人気は有ったものの、販売期間が1年と短かったこともあり、稀少車となっています。

私がこのZ550GPを購入したのは、ニュージーランドでした。当時、既にCB250RSを持っていて、満足していたのですが、ある日、バイク屋の掲示板で、個人売買の広告を目にしたのです。

私自身、同世代のCBX400Fを長年乗っていたこともあり、同時期のライバルであったZ-GPにも以前から興味が有ったので、早速連絡を取り、見に行きました。

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試乗した印象は、途轍もなく巨大で重い…というものでした。当然CB750なんかと比べたら軽いのですが、記憶の中にあるCBX400Fと比べても、それは顕著なものでした。

当時CB250RSという、超軽量級バイクに乗っていた影響もあったので、暫く乗れば慣れる…と思い、稀少車で、かつ程度も良かったので、購入に踏み切りました。

その重さの理由というのは、重心の高さに原因がある事に気が付きました。
同時代のカワサキZ750GP辺りと比較しても、ロードクリアランスが大きく、エンジンも高い位置にマウントされていました。

次期モデルのGPZでは、その重ったるさが無くなっていたのは、恐らくフロントが18インチになった事とも無関係ではないでしょう。

流石に550の4気筒とあり、当時既に20年モノでしたが、パワーも十分以上にあり、ガッチリとした車体周りは、とても400と共用とは思えない程のもので、CB250RSよりも高いスピードで高速の巡航が可能でした。

日本ではオプション扱いであったビキニカウルは、意外と風防効果が高かったのですが、雨が降ると、何故か下半身が異常な位ビショビショになりました。

現在乗っているCX650ユーロにも同様カウルが付いていますが、コチラは風防高価が無い反面、不思議と下半身が濡れなかったりします・・・。

これで長距離走行も楽になった…と思ったら、何かが違うのです。
スムーズなはずの4気筒エンジンも、実は常に細かい振動があり、思った程楽ではありませんでした。

十分なパワーを持つエンジンも、見かけとは裏腹に、トルク感に欠け、イマイチ私の好みではありませんでした。

そして、これだけ重いと、やはりニュージーランドの細かい田舎道に入っていくのも躊躇します。

決して悪いバイクではないものの、ニュージーランドという環境で走る分には、バタパタと気軽に何処でも入り込めるCB250RSの方が、トータルで使い易かったのでしょう。

結局1年ほど乗ったものの、それ以上に愛着が沸くことも無く、売ろうと考えていた時、貰い事故で廃車になり、その時の保険金は、車の購入費用になりました。

私は現在まで、同時代のホンダ車ばかりに乗ってきていますが、G-GPは、正に正反対だった様な気がします。ガッチリとした車体に、ガチッと効くブレーキ…。
その辺りが、全体的にしなやかな感じの当時のホンダ車に比べ、違和感を感じたのも有るかも知れません。

ブレーキも、初期タッチがソフトながら、握る程にジワジワと効いてくるホンダの方が私には合っていました。

しかし、これだけ綺麗なZ-GP…日本なら、速攻で盗難に遭うであろう車種ですが、ニュージーランドでは、そんな希少価値も無く、街に停めて置いても、興味を示すのは、精々子供位のものでした・・・。

前回のCB250RSも、こちらもフィルムで撮ったものですが、改めて見ると、やはり良いものですね....

americancars4ever

アメ車のブログとして開設して13年目、車以外にも様々な身の回りの話題を取り扱っています。