プリマス・カラベラ(カナダ)
プリマス
プリマス・カラベラという車は、アメリカとカナダでは少し違い、アメリカでは85年にFFのKカーベースで発売されたのに対して、カナダのソレは7年早い78年に発売され、旧型のFRシャシーでの登場でした。
このFRシャシーは、ダッジ・ディプロマットの直接の兄弟に当たりますが、コレはあの悪名高いダッジ・アスペン、プリマス・ヴォラーレ兄弟のより上のマーケットを狙ったモノでした。
実際には、アスペン・ヴォラーレ兄弟が余りに評判悪く、改良されても思うように販売が伸びなかった故に投入された…という面も大いに有ったことでしょう。
さて、このカラベラですが、こうやってフロント周りを見ると、ダッジ・ディプロマットとほぼ雰囲気が同じと言えますが、リアが中々面白い造形を見せています。

初代プリマス・ヴァリアントを70年代風にアレンジし直した?様な雰囲気です。

そしてサイドビューは、アスペン・ヴォラーレ兄弟に比べて幾分フォーマルな雰囲気に仕上がっています。
1978年と言えば、リー・アイアコッカ氏がクライスラー社長に就任する前年、つまりクライスラーが倒産の危機にひんしている時期でした。
そんな時代にプリマスだけでもヴォラーレ、カラベラ、グランドフューリーと似た様な車を連発していたのには、改めて驚かされます。
元々市場規模の小さいカナダ専用車で、しかも錆の多さも手伝って、現存数も少なく、こんなキレイな個体は珍しいのではないでしょうか?
全長5.184m、全幅1.885mと、ほぼ4代目のキャデラック・セビルと同等のサイズでした。
当時はアスペン・ヴォラーレが品質問題で厳しい批判に晒されたこと、そしてクライスラー自身の経営危機もあり、当時のクライスラー車は正当な評価をされていたとは思えませんが、現在の目で見ると、アメリカもこのサイズをもう少し真剣に突き詰めていたら、また今日の状況も違っていたのではないか?と思えなくもありません。
そして、早くからこのサイズに力を入れていたクライスラーは、経営や品質管理に問題が有ったとは言え、やはり先見の明のあるメーカーであったのかも知れませんね!
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