クライスラーTC by マセラッティー
クライスラー
クライスラーTC by マセラッティー
本当に久々にこんな車を目にしました。前回の記事にしたのが2012年…実に9年ぶりのことです。
クライスラーTC by マセラッティー…1980年代にクライスラーを率いた故・リー・アイアコッカ氏が、フォード時代から私的な付き合いのあったマセラッティーのオーナー、デ・トマソとの私的な提携?の末に生まれたのが、このクライスラーTC by マセラッティーでした。

ロゴはクライスラーに五角形にマセラッティーのエンブレムを組み合わせたものになっています。
シャシーはクライスラーのKカーをベースにしたものですが、ボディーの制作はマセラッティーの手によるもので、エンジンはクライスラーのエンジンをベースに、コスワーズ製のDOHC16バルブヘッドに載せ替えられたものでした。
クライスラー製のシャシーにクライスラー製エンジンをベースにしたエンジン、そしてマセラッティーのデザイン…コレが逆だった方が良かったのではないか?というのが大方の意見でした。
そして90年モデル以降は、クライスラーのお約束で、三菱の3リッターV6エンジンになってしまっています。
1986年のロサンゼルスショーで発表されたものの、発売は89年までずれ込み、更にはこの車が発売される前に、同様のデザインでクライスラー・ルバロンが半額で発売されてしまったことも、この車の存在価値を無くしてしまいました。
結局、僅か3シーズンの間に7300台が販売されただけで終わってしまいました。

ホイールベース 2,370 mm
全長 4,465 mm
全幅 1,740 mm
全高 1,318 mm
こうやって見ると、結構小さい車ですね。因みにル・バロンは全長4,694 mm、ホイールベース2,550と、この車よりも大きかったりします。
ル・バロンは4シーターで、TCは2シーターという差はあるものの、33,000ドルという当時の価格を考えると、やはりもう少し大柄な方が良かった気もします。
このデザインは、もう少し大きなボディの方が生きると思うのですが、如何でしょうか?

80年代後半のアメリカビッグ3は、イメージ向上に躍起になっていた時期でもあり、キャデラック・アランテ、ビュイック・リエッタといった様な同セグメントの車が存在しましたが、どれもコンセプトが明後日の方向を向いていたこともあり、大した結果を残せませんでしたが、正に時代の徒花といった所なのでしょう。
一つ弁護するならば、今のマセラッティーよりはコチラの方が私の好みだということです。
そして、販売的には振るわなかったものの、こんな楽しい企画が出来るクライスラーは、現在のジープ「しか」売れていないソレと比べると、やはり遥かに魅力のあるメーカーだったとも言えます。
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