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シボレー・コルヴェア

シボレー
11 /09 2020
シボレー・コルヴェア リア

シボレー・コルヴェア
街を歩いていたら、後ろから結構勇ましい音を立てた車が通り過ぎて行きました。
あの後ろ姿は…間違いなくシボレー・コルヴェアです!

そして、その勇ましい音も、空冷水平対向6気筒エンジンならではのモノです。
交通もユックリしていたので、何とか走って追い付き、フロント周りも撮影することができました。

シボレー・コルヴェア フロント

シボレー・コルヴェアはGMが販売したコンパクトカーで、1960年に発売されました。
アメリカ・ビッグ3というのは自由競争を建前としているものの、皆59年を最後にテールフィンの競走を止め、60年以降は皆申し合わせた様にテールフィンを小型化したり、同年、フォード・ファルコン、プリマス・ヴァリアントといったコルベアと同クラスのコンパクトカーに3社同時に参入している辺りも面白い所です。

1.車の大型化、豪華化に明け暮れた50年代の反省
2.徐々に販売台数を伸ばしてきたVWやBMCといった輸入車への対応

この辺りがビッグ3の小型車参入への原動力となった訳ですが、特に2は、2台目の車を持つ家庭が増えてきたという市場の変化もありました。

それまでは1台、家族全員で乗る快適な車が圧倒的な人気を誇っていた所に、2台目として、よりコンパクトで経済的な車を求める人が増えたのです。

そんな中で登場したコルヴェアですが、単にダウンサイズに留まらず、モノコックボディを始め、エンジンはアルミ製の空冷水平対向6気筒という、他とは全く共通点の無いレイアウトのエンジンで、コレは当時人気を得ていたVWビートルに2気筒足した様なレイアウトでした。

アメリカとしてはエンジンからシャシーまで完全に新設計という極めて意欲的な製品で、実際に新鮮なデザインも手伝い、かなりの人気を得たのですが、同時にリアエンジン特有の前後の重量配分のアンバランスさ、そしてコーナーで腰砕けになるスイングアクスル式リア・サスペンションを原因とした操縦性の悪さ等、安全性に疑念を持たれ、ラルフ・ネーダーによる告発を受けることになってしまいました。

当時のラルフ・ネーダーは一介の弁護士に過ぎず、そんな人物が、神のような絶対的な存在であったGM様に楯突くとはケシカラン、一体どんな奴なんだ?と探偵を雇って身辺調査を行おうとしたところ、その事がプライバシー侵害で逆に訴えられ、莫大な賠償金を支払うと共に、欠陥車を隠蔽しようとしたGMの評判にも大きく泥を塗り、そして以降、コルヴェアの販売も低迷し、1969年には生産中止となっています。

この事件をきっかけに、車の安全性をメーカー任せ出なく、FMVSSとして政府が関わる様になり、アメリカ車の安全性向上に一役買うことになりました。

更に後に発売したシボレー・ベガの欠陥騒ぎもあり、以降長期に渡ってGMが意欲的な車を作ることは無くなり、古いメカを使い回す我々の知るGMへと変わっていったのです。

コルヴェアも欠陥車として人気も低迷し、大切にされなかった事もあり、今日その姿を見ることは非常に珍しいと言えます。
キューバでは時々見掛けたのですが、走っている姿は正直記憶に無いと思います。

それだけに、今とこうやって走って追いついてまで撮影したいと思う存在だったのです。

それにしても、こんな特殊なエンジン、キューバでは一体どんな載せ替えをやっているんでしょうか?
もしかしたら、VWビートルのエンジンだったりして…。

しかし、このデザイン…私は日野コンテッサと似ていると思うんですが、コルヴェアはビル・ミッチェル、コンテッサはミケロッティで、実際には関係ありません。
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2代目シボレー・カマロ

シボレー
09 /18 2020
2nd Chevrolet Camaro front

久々にこんなのを見かけました。
2代目シボレー・カマロ…かつては少し治安の悪いところに足を踏み入れると、ボロボロなこの手が爆音と共に走り回っていたものでした。

2020年現在、本当にこの手は見掛けなくなりましたし、見掛けたとしても、キレイにレストアした車両が多い様で、こんな良い具合にヤレた車両は珍しく、反対車線ながらUターンして写真を撮りました。

フロントバンパーがボディ同色でグリルと一体型になっていることから、78年以降の最終型の様です。

写真の向かって右側のボンネットの隙間が非常に大きいのも、この時代というか、90年代辺りまでアメリカでは当たり前に見られたモノでした。

2nd Chevrolet Camaro Rear

リアウィングの装着されていないリア周りも、今となってはシンプルで良いですね!
販売店のバッジが今でも残っているのに驚きます。

この世代は、正に品質の低下と排ガス規制による出力低下に悩まされ、高出力のZ28ですら、5.7リッターV8で僅か188PSという情けない値でした。

現在のバンクーバーでは、排ガステストが撤廃されたことから、排ガス関係を取り去ることで、当時よりも遥かに高出力を得ることが可能になってはいますが・・・。

かつては一部の人以外に見向きもされず、安く手に入ったこの手の車も、程度のいいモノは結構な値段が付く様になりました。

V8で爆音を立てながら、4速マニュアルでダラダラと…という意味では、非常にアメリカ的なスポーティーカーと言えます。

こうやって改めて見ると、コルベットと同様、カマロも初代だけは全く別の車で、この2代目が良くも悪くも我々の持つカマロのイメージを作り上げた…という気がします。

しかし、この撮影場所…バンクーバーのイーストサイド…つまり最も風紀の乱れた地域です。
ソーシャルディスタンス等何かと煩い昨今にも関わらず、そういう事はお構いなし。大勢のホームレスが集団で良からぬことをしており、何故ココでクラスターが発生しないのか不思議で仕方有りません。

空気すら吸いたくも無い…そんな場所での撮影でした。

シボレー・コルベット C2

シボレー
11 /10 2019
Chevrolet Corvette C2 front view


シボレー・コルベットが登場したのは1953年、第二次大戦中、そして戦後に渡ってヨーロッパに駐留した多くのアメリカ兵にとって、彼の地のスポーツカーは、アメリカにはない類のもので、大変に魅力的に写り、ソレをアメリカに持ち込む人が大勢いました。

そのMG、ジャガー、アルファロメオといったオープンタイプのスポーツカーをアメリカ流に解釈したのが初代のコルベットでしたが、FRPボディーという新技術にトライしておきながら、エンジンは旧式の直6、トランスミッションは2速のATという、要するにカッコだけの車でしたが、55年にはスモールブロックV8エンジンと3速MTの搭載で、スポーティーに方向転換を行いました。

同じく55年には、フォードからサンダーバードが発売され、両者ライバル同セグメントに位置していましたが、サンダーバードは58年には4シーターになり、全く別の車になりました。

コルベットは2シーターに留まったものの…。

63年に発売されたのが、2代目のC2、通称スティングレーです。
先代がヨーロッパのスポーツカーの様なコンバーチブルであったのに対して、C2はクーペがメインでになったのが大きな違いです。

そのデザインは、同名のレーサーをベースにしたもので、先代モデルとの関連性はありません。
そして63年モデルのクーペでは、リアウィンドウが2分割された「スプリットウィンドー」が有名な所です。

Chevrolet Corvette C2 rear-view


FRPボディーは継承し、リトラクタブルライトもデザイン上の大きな特徴となっています。

コルベットの歴史を見ていると、初代だけは完全に別の車であり、このC2こそが現在まで続くコルベットの原型だと言えるのでしょう。

写真は街で見かけたものですが、本当にこういうの、見なくなりました。そして久々に目にしたソレが、現在の車を見慣れた目には、非常に小さな車に見えました。

全長 4,448mm
全幅 1,768mm
全高 1,265mm

結構なサイズながら、やはり全高の低さが目に付きます。

この世代は、クーペが主力という風に言われて居ますが、現在目にするこの世代は、コンバーチブルの方が多い様な気もするのですが…。

ライバルであったサンダーバードは、早々と4シーターになり、後に高級クーペと姿を変えたのに対し、コルベットはよりスポーティーな車へと変貌し、アメリカ製2シーターは成功しないというジンクスをモノともせず、現在に至るまで、アメリカ唯一のスーパーカーとして知られています。

その調度転換点に当たるのがこの車…ということになります。

427ターボジェットというエンブレムが付いていることから、ビッグブロック7リッターV8エンジンを搭載した後期型の様です。ターボジェットと言ってもターボが付いていない辺りがアメリカですね…。

このモデルは67年まで生産され、翌年C3にモデルチェンジしますが、67年と言えばカマロが登場した年です。その差別化もあり、コルベットはより高級、スポーティー路線が加速することになります。

シボレー・カマロ IROC-Z

シボレー
04 /25 2017
イメージ 1

少し前に、ある人から指摘されたのですが、当ブログで3代目シボレー・カマロを取り扱っていないと・・・。

一応アメ車のブログとして始まって今年で9年目…正直驚きました!

考えてみれば、このタイプは、ファイアーバード・トランザムを取り上げただけで、カマロはまだだったのです。

そこれ、丁度良い被写体が有ったこともあり、改めて取り上げたいと思います。

3代目のカマロが登場したのは81年、翌82年モデルとしてでした。
2代目が12シーズンと極めて長寿命であったことから、良くも悪くもカマロというイメージが固定されてしまい、ある意味このモデルチェンジは、かなり難しかったんではないでしょうか?

イメージ 2
 - このトランク、狭い上に、荷物の出し入れが大変なんですよね…。

先代と比べ、大幅にダウンサイズが施され、3ドアハッチバックになっているのがデザイン上の大きな特徴で、正直、先代とは何の関連性も無いスタイルなのですが、それでも不思議とカマロという雰囲気に満ち溢れたものでした。

一足先に登場したマスタングが、正直何処か無国籍でかなり微妙なものであったのに対して、コチラは紛うことなきアメリカのソレであり、何処からどう見ても、カマロそのものでした。

当時は、まだ排ガス規制の対応に苦しんでいた時代で、5リッターV8ですら、キャブ仕様で145馬力、初期のクロスファイアーインジェクションで165馬力という非力なものでした。

これは、マスタングも同じ様なモノでしたが、アチラの方がコンパクトで軽量なことから、走りには分がありました。

その他にも、2.5リッター4気筒や、あの悪名高い2.8リッターV6なんかも設定されていました。

写真は、85~89年に発売されたハイパワーバージョンのIROC-Zですが、主に足回りを強化して、エンジンをより高出力化したモデルでした。

スロットルポートインジェクションのモデルは、大分向上したとは言え、それでも215馬力程度のものでした。

この世代のカマロは、間違っても速いとかスポーティーとか言う類の車ではありません。

しかし、雰囲気という面では、非常に良いものを持っていました。

低いシートに腰掛け、目の前に絶壁のように広がるダッシュボード…アメリカならではの雰囲気に満ち溢れたものです。

次期モデルでは、無理にフロントガラスを寝かせたせいで、かなりポジション的に無理が出来たことを考えると、ある意味コレは、絶妙のバランスだったと言えるのでしょう。

そして意外にも、私位の体型なら、十分に座れるだけのリアシートが確保されています。この辺りは、現行モデルよりも良いですね。

丁度バブルの頃、この車も350万円という大安売り???が行われ、一頃日本でも結構見かけたものでした。

ソレに対して、ファイアーバード・トランザムが500万というのは、少し納得がいきませんでしたが…。

それでも当時のアメリカでは、この手の車が2000ドル程度で買えたので、若者から幅広い支持を得たものでした。

このモデルも11シーズンという長期間販売された後、新型にバトンタッチしますが、新型のデザインは、妙な楔形に無理があり、ソレが居住性に著しい悪影響を与えたこと、そして、プラスチッキーなスタイルがイマイチ評価されたとは言えず、余り人気が盛り上がることもなく、2,002年に生産中止になっています。

4代目のデザインが、どうも弄り様がなくて、ノーマル然としたモノ以外余り見かけないのに対して、コチラは様々なカスタムを受けたものが、アウトローも含め、様々な層から支持されたものでした。

ただ、マスタングが上品なお婆さんから高校生まで、実に幅広く支持されたのに比べると、やはりカマロはアウトローな雰囲気が強く、誰にでも似合うクラスレスという訳には行きませんでした。


1962 シボレー・ベルエア

シボレー
02 /10 2017
イメージ 1

1958年、それまでのテールフィンと異なり、横方向のテールフィンで話題を呼んだシボレーですが、何処も同じで59年をピークに、実質60年が最後のテールフィンになりました。

61年にフルモデルチェンジを受けますが、61年モデルが、テールフィンを模した様なデコレーションで飾っていたのに対して、この62年モデルでは、ソレも無くなり、この辺りから、完全に50年代のデザインと決別したと言えるのでしょう。

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62年からは、意外にも4ドアハードトップがなくなり、写真も4ドアセダンです。その他には、ステーションワゴンが設定されたことが目に付きますが、外装以外、エンジンも前年と同じ様なものでした。

イメージ 4

しかし、このリアビュー…何処かで見たことあると思いませんか?


イメージ 3

そうです…このシボレー・インパラは、恐らくこの年式を現代風にアレンジしたものなのでしょう…ソレにしては、余りに酷い出来ですが…。

因みに、このテールランプは、ベルエアが片側2つで、上級車のインパラは、片側3つでクロームの縁取りになっており、上級車として差別化を図っています。

この手のシボレーは、昔からアメリカの若者大衆文化の中心的存在でもあり、そのせいか、下品な改造を施された個体が非常に多く、こういう上品な仕上がりを見せているのは、決して多いとは言えないのが残念な所です。

americancars4ever

アメ車のブログとして開設して13年目、車以外にも様々な身の回りの話題を取り扱っています。