米GMが追加リストラ策発表、ポンティアック廃止へ
ニュース[デトロイト 27日 ロイター] 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>は27日、工場の閉鎖、時間給労働者の削減、ディーラー網の縮小、「ポンティアック」ブランドの廃止を柱とする追加リストラ策を発表した。
GMはまた、債務削減に向けて272億ドルの債券と普通株の交換を債券保有者に提案した。
証券取引委員会(SEC)に提出した報告書によると、保有債券1000ドルにつき普通株式225株を発行し、未払利息については現金で支払う。交換が成立すれば債券保有者の同社への出資比率は10%程度となる。
6月1日までに同提案に対する十分な申し出がなければ、破産に向けた方策を検討するとしている。
株式への交換および労組との医療費負担調整を通じて、GMは440億ドルの債務削減を目指している。
GMは2月半ばに政府に再建計画を提出したが、オバマ政権は規模が小さすぎ、スピードも遅すぎるとして認めなかった。新たなリストラ計画では、2010年に追加で18億ドルのコスト削減を目指す。
工場数を現在の47から34に削減し、時間給労働者を2万1000人減らし4万人にするとともに、ディーラー数も6246店から3605店に縮小する。
2月半ばに提出した計画に加え、新たに6工場を休止・閉鎖するほか、時間給労働者をさらに7000―8000人削減する。またディーラー500人の追加削減を前回の計画から4年前倒しで実施する。
「シボレー」「キャデラック」「ビュイック」「GMC」の4ブランドに絞り、10年末までに「ポンティアック」ブランドを廃止する。
新たな事業再編計画などを好感し、GM株価は一時29%高と急伸し、2.18ドルをつけた。
最終更新:4月28日2時27分
ポンティアックは、元々オークランドと呼ばれ、1908年のGM創業の少し前に設立され、当初よりGMに参加していました。ポンティアックの名前が登場したのは1926年のことですが、50年代までは、比較的地味なブランドでした。60年代には、後に映画、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場する「デ・ロリアン」を製作した、ジョン・デ・ロリアンの指揮の元、ポンティアックGTO、ファアーバード等をラインナップし、スポーティーなイメージに路線変更をして、現在に至りました。
ところが90年代以降、ポンティアックの車というと、正直スポーティーと言うよりも、むしろオドロオドロしく、下品と言った方が正解で、車の内容も特に目新しい独自のモデルも無く、段々とシェアを落としていきました。
現在、車のデザインというと、空力、安全性、生産性、居住性等、様々な要素が加わる為、以前と比べると、デザインの余地が少なくなっています。そんな中で下位のシボレーとの差別化を図るというのは、結局お互いのシェアを奪い合う結果にしかなりませんでした。同じ車をブランド別に二つ仕立てるとなると、どうしても下位のシボレーを平凡なデザインにせざるを得ないからです。
現在のポンティアックのラインナップを見ても、特に目を引くモデルも無く、殆どがオペルをベースにしたモデルで、他のブランドと全く代わり映えのしないものばかりです。そうなると、販売規模の小さいポンティアックを廃止するというのは、真っ当な決断だと言えるでしょう。
同時に、シボレーもポンティアックに遠慮する事無く、より魅力的なデザインになってくれるとしたら、正に一石二鳥というものです。
これでキャデラック=高級、ビュイック=中級、シボレー=大衆車として、より明確なマーケティングが可能になります。
長年親しんできたブランドが消えるというのは、寂しいものですが、今回の決断は、個人的に支持したいと思います。