「東モ」明日の会見前にヒュンダイ辞退
ニュース自工会にも、ヒュンダイの出展ドタキャンについて話しを聞いた。
「日本法人から連絡は受けたが、韓国の本社から(辞退の)書面は届いていない」(広報部)としている。
http://www.tokyo-motorshow.com/booth/index.html
東京モーターショーは、10月21日(水)のプレス向けのお披露目会から実質的に幕を開ける。すでに開催まで1カ月を切っているのだが、そんな折も折り、3社しかない海外のメーカーのうち、最大の現代自動車が、先週末突如、「出展辞退」を自工会に連絡してきた。
これで海外の完成車メーカーはアルピナとロータスだけになってしまった。最早「インターナショナル」の文字がかすんで見える。
ヒュンダイのドタキャンは、主催者である自工会も寝耳に水だったようで、「当初のスペースが狭いと言うので、わざわざブースの面積を広げたのに」(同)と、グチとも不満とも言えない言葉が口をついて出てくる。
「東モ」の記者会見をいよいよ明日に控えて、配布資料などは「ヒュンダイを削ってなんとか間に合わせたい」(同)としている。
トヨタの正面500平方メートルの空きスペース発生については「いまさら新規のイベントなどは考えられないし、出展各社の協力を得て、何か考えなければならないだろう」(同)と苦渋の様子。最悪の場合はお客様の休憩所になってしまうかも知れない。
キャンセル料金そのものは、「4月の時点で出展の意思表示があった場合には返金されない」(同)し、ヒュンダイほどの規模の会社にとっては、小間のしつらえ代や会期中の運営費の削減などは、象徴的な意味しかないはず。中国で開催予定の広州ショーを12月に控えて、日本市場を見限ったと見られても仕方ないだろう。
以前にも指摘したが、日本市場で売る気がないなら、負け犬として、さっさと日本法人を解散すれば良い。こうなったら何が何でも「東モ」を皆の手で盛り上げたいものだ。(Cyber Xより転載)
これは、事実上日本市場撤退の前段階と見て良いのでしょう。
韓国メーカーが日本で販売しようとしたのは、ヒュンダイが最初ではありません。90年代半ばにロータス・エランのライセンスを買い取って生産された「キア・ビガード」が販売されたことがあります。エランをべースに、キアのエンジンを載せた車でしたが、スポーツカーが全く売れなくなっていた当時の日本で、何故にこんな車を持ってくるのかと呆れたものでした。当時の東京モーターショーで、係員に「フィアット・バルケッタやマツダ・ロードスターと比較して何が売りなのか?」と訪ねたところ、全く返答らしい返答が帰ってきませんでした。
この様な軽量級スポーツの老舗フィアットに対し、ほぼ同価格で、しかも元ロータスという以外、全くアピールできるものが無く、取り敢えずお隣の金持ちの国に持ってきた・・・という以外、何もマーケティングらしきものが見えませんでした。
その後、デーウ・マティスを販売するに際し、敢えてデーウというブランドを隠し、マティスとして販売したことがありましたが、トヨタ・ヴィッツ等とモロに競合するクラスに、軽自動車(韓国は800cc)で、しかも全く無名とあっては、当然売れる訳も無く、同社の経営破たんと共に、立ち消えとなりました。
そして、3度目の正直として、韓国最大のヒュンダイが出てきた訳ですが、国産車でさえセダンの全く売れない日本で、ソナタやグレンジャーという大型セダンを中心としたラインナップを展開してきました。
それらが全て失敗した後、i30という小型車を持ってきましたが、200万と価格も高く、大型車の廉価販売が失敗したから、小型車を高価で販売する…と路線変更をしたのでしょうか?
日本という市場は、極めて特殊だということを知らなければなりません。これだけ多数の良質な自動車メーカーがひしめき合っている国は世界に例が無く、しかも良質な中古車が恐ろしく安い為、安いから...というのが全く通用しない市場なのです。ここがアメリカやヨーロッパと大きく違うところなのです。
日本で成功している輸入車といえば、メルセデス、BMW、VW、プジョーなど、日本車には無いデザイン、技術、乗り心地等、個性を持った車に限られています。そして、全国的にサービス網がそれなりに展開されている事も重要なところです。
そうやって見ると、残念ながらヒュンダイには、そのどれもが見当たりません。オマケに私の経験上、品質的にも日本車の足元にも及ばない程度とあっては、トヨタやホンダの品質、サービス網を「当たり前」に思っている日本人に売るのは、無理なのではないでしょうか?
10年程前、デーウ・マティスの国内販売が発表された時、某自動車雑誌に送った投稿が掲載されたことがありますが、今日、10年前に書いた事と非常に似たような事を書いている様な気がします。