フォード、次期大型FR車凍結?
フォードそんな記事を、オーストラリアの雑誌で目にしました。
現在、アメリカ市場でフォードの大型FR車といえば、業販専用のクラウン・ビクトリアと、マーキュリー・グランドマーキス、リンカーン・タウンカーの兄弟がありますが、それらは、殆どがタクシーやリムジンベースといったところで、正直一般市民に影響のある車とは言えません。
ところがオーストラリアでは、オーストラリアフォード製のファルコンが、タクシーのみならず、一般ユーザーからも結構人気が有る存在なのですが、それも含め、次世代のFR車の開発を凍結した・・・というのです。
そして今後の主力車種が、今年発売された新型トーラスのバリエーションになると言う話です。
これが事実だとすると、非常に複雑な思いがします。
先ず、FFが効率良いというのは、小型車に限っての話だということです。
FRはエンジン縦置きなので、ボンネットが長くなるものの、ボンネットの下までドライバーの足を突っ込む事が可能な為、特に大型車では、意外とスペースユーティリティーでのデメリットは少ないのです。
そして、車体が大きくなる程、FRの方が操縦性の面で有利になるのは当然で、敢えてFFに拘るとしたら、
コストダウンでしょうか?
アメリカ製のものはともかく、今回紹介するオーストラリア製のフォード・ファルコンは、サイズ的にも、全長5m弱と、アメリカ製中型車程度の大きさですが、車の出来としては、アメリカ製の二廻りも巨大なソレよりも、遥かにレベルが高いと言えます。
むしろ、トーラスでこのクラスを統一する位なら、このファルコンをアメリカにも持って行った方が、遥かに良い様な気がするのですが・・・。
GMは、キャデラックをFRに戻しましたが、フォードはリンカーンLSで折角FRを出しておきながら、アッサリと引っ込めて、FFのゼファーにモデルチェンジしたり、迷走が続いている様です。
因みにファルコンとは、元々60年代初頭にアメリカで発売されたコンパクトカーで、マスタングのベースにもなった車です。それがオーストラリアでも生産される様になったのですが、アメリカでの生産中止後は、オーストラリアでの独自の車種として発展を続け、今日まで続いています。
写真上の現行ファルコンは、4リッターの直6と、5.4リッターのV8が用意されています。
同様に、GMオーストラリアのホールデンも、かつてはシボレーの廉価版としてスタートしたのが、現在は技術力でも本国を凌ぐ様になり、キャデラックのベースにまでなっています。
写真下:ホールデン・コモドア
キャデラック・STSのベースになったモデルです。決してカッコイイという訳では無いものの、嫌味の無いデザインです。そして、ファルコンと同様、同サイズのアメリカ車よりも、風格が感じられます。