ポンティアック ル・マン 名前は同じでも・・・・ Pontiac LeMans
ポンティアック従来、GMの中で大人しい車というイメージの強かったポンティアックは、60年代に、あのジョン・デローリアンの元でスポーティーなイメージに生まれ変わりました、
元々、コンパクトカー、ポンティアック・テンペストの最上級グレードとして登場したル・マンですが、64年モデルからは、サイズアップし、よりスポーティーな雰囲気を身に纏い、人気を博しました。
世の中不思議な物で、同年代のマスタングがあれだけ根強い人気を誇っているのに対して、当時、同じ様に・・・・とまでは行かないものの、人気の有ったこの車の評価は、一ランク下の様に思えます。
同じシャシーを使用した車として、シボレー・シェベル、ポンティアック・GTO、オールズモビル・カトラス、ビュイック・スカイラークと、何れも大いに人気を誇ったモデルが名を連ねています。
後に、極普通の乗用車へと形を変え、オイルショックの影響も手伝い、段々と地味な存在になり、やがて生産中止となりました。丁度70年代といえば、GM車が「金太郎飴」状態になりつつある時期でもあったのです。
さて、時は流れ80年代も終わりに近づいた頃、81年以来途絶えていたル・マンの名前が復活することになりました・・・・。
写真が、その「ル・マン」なのですが・・・・・。
ドイツのオペル・カデットをベースに、韓国のデーウが生産した「デーウ・ル・マン」をそのまま北米に持って来て販売したという、実に国際性豊かな車でもありました。
ドイツの車に、フランスの名前、韓国の生産で、北米で販売・・・・。
デーウの方が1年先に発売されていることから、「ル・マン」の名付け親は、デーウ側ということになりますが、一体この車の何処が「ル・マン」だったのでしょうか?
そして、その名前をそのまま再利用するポンティアックもポンティアックです。
あの24時間耐久レースで名高いフランスの街の名前、そして、かつてのポニーカー・・・・・ある意味、これ程「名は体を表さない」車も珍しいのではないでしょうか?
肝心のオペルでさえ大して品質が良くないところに、当時のデーウの凄まじい品質管理とあり、衝突安全性でも非常に悪い結果を残していたと記憶しています。
結局大した人気も無く、4年程で生産中止になりましたが、残念ながら、現在実車を目にする事は皆無と言っていいほどです。
ニュージーランドでは、70年代のオイルショック以降、アメリカ製GM車のブランドは消滅したいたにも関わらず、何故かこの車だけは、ポンティアック銘で販売されており、同国で正式に販売された「最後の」ポンティアックでもありました。