フォードLTD クラウン・ビクトリア
フォード今でもタクシーに使われているクラウン・ビクトリアは、単にフォード・クラウン・ビクトリアと呼ばれていますが、そのひとつ前のモデルは、フォードLTDクラウン・ビクトリアと呼ばれていました。
最初にこの「クラウン・ビクトリア」という名前が登場したのは55年モデルで、アクリル製のルーフで話題になりました。
その後は長年のブランクの後、79年にフォードLTDの豪華版として販売されたものですが、83年モデルでフォードLTDがインターミディエートにダウンサイズされると、クラウン・ビクトリアがフォード唯一のフルサイズカーということになりました。
リンカーン・タウンカーやマーキュリー・グランド・マーキスの兄弟に当たるこの車も、フルサイズとはいえ、大幅なダウンサイズを受けています。
かつてのアメ車の色気というと、ドアやフェンダー部分の膨らみ、微妙なカーブによるところが大きかったのですが、ダウンサイズに於いて、その辺りが削られることになってしまいました。
その上に、80年代初頭のアメリカデザインは、カクカク、バキバキの直線一辺倒・・・・トップギアのジェレミー・クラークソンが、「デザイナーは定規と2Bの鉛筆しか持っていなかった」と評した程でした。
かつては、シボレー・カプリスと共にポリスカーやタクシーとして大活躍したこの車も、今やその姿を見かけることは稀です。シボレーの方がよく見かける気がするのは、やはり元々の販売台数のせいでしょうか?
標準でビニールトップ(ランドウトップ)を装備している辺りから、カプリスよりも若干上級嗜好であったとも言えますが、同時に装備を簡略化したバージョンも、フリート用に用意されていました。
そして、忘れてはいけないのが、この世代まで、ステーションワゴンのカントリースクエアが用意されていたことでしょう。ミニバンやSUVの台頭でマーケットを失ったステーションワゴン、今やトーラス・ワゴンすら無く、ワゴンが欲しいとなると、巨大なミニバンかSUV、またはスバルということになってしまいます。
現在フォードのフルサイズセダンというと、FFのトーラス(500から改名)ということになりますが、極度な販売不振に陥っています。不人気と言われた3代目トーラスですら年間35万台を販売していたのに対して、此方は僅か年間6万台程度・・・2万5000ドルを超える価格というのが、どうにも高すぎる気がするのですが・・・。
因みに、フォードのセダンで比較的人気のある車種といえば、マツダ6の兄弟車、フォード・フュージョンになりますが、コレですら昨年で年間25万台弱、そしてライバル?のシボレー・マリブも20万台弱と、この辺りからもアメ車の不人気が分かります。
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