2013 ダッジ・ダート
ダッジダッジ・ダートは、1960年に登場した、比較的コンパクトな乗用車でした。
60年という年は、アメリカ自動車業界にとって比較的大きな変化のあった年で、先ずは前年まで成長一辺倒であった「テールフィン」が、全社、縮小されたのと同時に、よりコンパクトな車が注目され始めた年でもあり、ダッジ・ダートの他にも、シボレー・コルヴぇア、フォード・ファルコンといった車が登場しています。
ダートは、長年プリマス・ヴァリアントの兄弟車でもあり、共に76年に消滅していますが、その後のクライスラーは、あの悪名高いダッジ・アスペン、プリマス・ヴォラ-レを後継車として投入し、その経営は一気に破綻に向かう事になりました。
それから36年・・・昨年、ダッジ・ダートの名前が、2013年モデルとして復活していますが、見た感じ、何の変哲も無い日本車なのか何なのかイマイチよく分からないデザインなのですが・・・・。
驚くことにこの車、アルファロメオをベースにしているのです。
クライスラーの破綻に手を差し伸べたのは、イタリアのフィアットグループでしたが、フィアット社の目的は、北米への再参入でした。その第一号として、フィアット500をクライスラーのディーラーで販売しており、そして、アルファロメオも北米で復活する・・・という話しが有りましたが、コレが、その北米向けアルファロメオということになります。
製造はアメリカのクライスラー、ベルベディア工場で行われており、アルファロメオ・ジュリエッタをベースに、4ドアセダンにしたものです。
正直最近のジュリエッタのデザインは、私の好みではないのですが、まあ、ソレよりは良いデザイン・・・・?とも思えるものの、正直どういう客層を狙っているのか、イマイチ分かり辛い車です。
ラテン系の車というのは、北米では、ビッグ3の苦手とする、フィアット500の様なコンパクトカー以外なら、むしろある程度大きくて高価な車の方が、より売り易いと思うのですが・・・・。
それとも、敢えてアルファロメオのブランドを使わず、取り敢えず適当にシャシーを引っ張って来て、クライスラーにとって手薄のこのクラスを埋めるだけの、でっち上げなのでしょうか?
かつての三菱は、北米市場をクライスラーに依存していましたが、その事は、同社のブランド確立失敗の原因となりました。
アルファロメオも、同じ事にならなければ良いのですが・・・・まあ、それ程真剣に考え抜いたモデルでも無い・・・・という見方もありますが・・・・。この車の成否によって、北米参入のモニターをしている・・・こういう見方も有るかも知れません。
それにしても、このデザイン・・・アルファロメオのグリルバッジが付けば、それだけでも見栄えがしそうですが・・・・。