ナッシュ・メトロポリタン
独立系メーカーこのコンパクトでユーモラスなスタイル…コレもれっきとしたアメリカ車です。
ナッシュ・メトロポリタン…ナッシュモーターズは、GMの創業者ウィリアム・デュラントの片腕として、デュラントの自動車産業参入以前からの付き合いであったチャールズ・ナッシュによって1916年に創業されました。
前年、経営不振の責任を取って経営から離れていたデュラントが、シボレーを元にGMの株式の過半数を取得し、GMの経営に返り咲きますが、ナッシュは、その直後にGMの社長を辞職しているのです。
特に戦後、巨大化が顕著になるアメリカ自動車産業に於いて、ナッシュは手頃なコンパクトカーを得意とするメーカーでしたが、1954年、ハドソンと合併し、アメリカン・モータースとなっています。
この車が発売されたのは53年、AMCになる1年前ですが、合併後は、ナッシュブランドの他にも、ハドソン、そして後にAMCも名乗っています。
全長3,79m、全幅1,56m、エンジンも1.2リッター及び1.5リッターという、アメリカでは異例のコンパクトな車に仕上がっています。
その最大の特徴は、アメリカで設計開発された車が、イギリスのオースティングループによって生産されたことで、同じ車が、ヨーロッパでは、オースティン・メトロリタンとして販売されました。
事実、このサイズは、同時代のイギリス車で一般的なものと言えるでしょう。メカニズムも、オースティン製のものとなっており、そんな理由から、オースティンの車をナッシュが生産していたと勘違いする向きがありますが、実際は、その逆でした。
ただ、当時のイギリス製エンジンというのは、アメリカのソレに比べると、オイル漏れは当たり前で、手が掛かるのが当たり前で、その辺りも若干不利に働いたのではないでしょうか?
巨大で豪華な車ばかりの50年代のアメリカで、こんなお洒落でキュートな車が販売されていたという事実も、忘れてはいけません。
そして、アメリカにも実は小型車を作る技術が有ったということも・・・。
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