AFP=時事】子どもが聞いている音楽をくだらないと思っている親の意見が正しい可能性が出てきた。最近行われたある研究によると、平均的なヒット曲の歌詞の読解レベルは小学校3年生程度であることが判明した。
半世紀で最高の「音楽革命」、ヒップホップをデータ検証 チケット販売シートスマート(SeatSmart)が実施した調査の対象は、2005年以降、米ビルボード(Billboard)のシングルチャートのポップ、ロック、R&B・ヒップホップ、カントリー部門に少なくとも3週間ランク入りしていた225曲の歌詞。
分析には、1文の長さ(1文当たりの平均単語数)と単語の長さ(1単語当たりの平均音節数)から文の易しさを数字で表す評価指標フレッシュ・キンケイド(Flesch-Kincaid)などが用いられた。
研究を行った専門家によれば、比喩や内省的な表現ではなく、文章の複雑さのみを基に分析したという。
その結果、ヒット曲の歌詞の標準的な読解レベルは小学校3年生――アメリカの教育制度ではおよそ8歳――で、この10年で低下したことが分かった。
音楽のジャンルの中で読解レベルが最も高いのはカントリーミュージックで小学校3.3年生、R&Bとヒップホップは最低の2.6年生レベルだった。
代表例を挙げれば、最も高い小学校5.8年生レベルの歌詞という判定結果だったのは、米カントリーシンガー、ブレイク・シェルトン(Blake Shelton)の「オール・アバウト・トゥナイト(All About Tonight)」。
2番目に高かった歌は、米オルタナ・ロックバンドのレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)の「ダニー・カリフォルニア(Dani California)」だった。
一方、 小学校1年生レベルを下回ったのは、カナダ出身のヘビーメタルバンド、スリー・デイズ・グレイス(Three Days Grace)の「ザ・グッド・ライフ(The Good Life)」だった。最下位レベルにはほかに、ヘビーメタル界の帝王オジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)の「レット・ミー・ヒア・ユー・スクリーム(Let Me Hear You Scream)」も入っている。
汚名を被ったスリー・デイズ・グレイスだが、彼らの曲「アニマル・アイ・ハブ・ビカム(Animal I Have Become)」は上位に入っている。
ジャンルごとに見ると、ポップアーティストの中で読解レベルが最も高かったのは、米歌手のマライア・キャリー(Mariah Carey)の歌で、ヒップホップ・チャートではエミネム(Eminem)だった。【翻訳編集】 AFPBB News
VIDEO
こんな意味が深く、かつメッセージ性の強い歌詞は、もう現れないのでしょうか?
仕事場で若い連中が聞いている音楽というと、間違いなくラップの類ですが、正直、英語が母国語でない私ですら判るほど、低俗かつ下品な表現に溢れています。Fの付く言葉など、当たり前に連呼されます。
歌詞もひどいですが、メロディーは当然皆無で、ただ歌詞を叫んでいるだけ、しかも皆同じ声にしか聞こえません。
あれで、それぞれ違うアーティストが違う曲を歌っているというのが、正直信じられない位です。8時間同じ曲を聴いている感じです。
これは、日本でも同じ事です。
日本の音楽が急速に低俗化したのは、80年代後半辺りではないでしょうか?大勢でウジャウジャ、歌唱力皆無、脳みそ皆無のアイドルが幅を利かせ始め、更に89年にベストテンの様な音楽番組が軒並み終了すると、ミュージシャンの活躍の場が大きく減ったのです。
丁度その頃、大きく世代交代が起こったと思うのですが、以降、自分で作詞作曲をこなすアーティストが増えたものの、同時に、歌詞の低俗化が起こったと思っています。
それまで多くの歌詞というものは、専門家の手によって大いに練られたものであったのに対して、普通の会話言葉程度で、詩ではなく、「説明文」の様な歌詞が増えていきました。
ファンの方には申し訳ありませんが、槇原敬之氏が最初に出てきた時、正直、驚いたのです。言わんとしている事は悪くないのですが、何とも言葉遣いが幼稚で説明文調、よく言えば理解し易いのですが、この人は国語力が無いんだな…と思い、同時に、それが売れる世の中に一抹の不安を覚えたものでした。
判り易く言えば、この辺りから、ソレまでの常識だった「文語調」から「口語調」に変わって行ったのです。
それ以前は、なるべく5音、7音という日本語が美しく聞こえる言い回しを使い、韻を踏むといった技術も多用され、例えば同じ意味の言葉でも、その絶妙なニュアンスの違い、音の良し悪し等、正に推敲に推敲を重ねたものだったのです。
それ以降、どうでしょう?音楽は量産される様になり、ミリオンヒットが続出する中でも、その流れはより顕著なものになっていきました。
私の小学時代の恩師、I先生が仰った「
詩は説明文じゃない 」という言葉が思い出されます。
「なごり雪」の3分少々の短い中に秘められた無限の世界、ソレに比べ、6分にもならんとする今の曲の何とも味気の無いこと…。
私も随分昔から音楽を聴かなくなっていますし、オーディオも携帯で十分なんていう位ですが、要するに、大金叩いてまで聴きたいと思う様な音楽が無いからなのです。
食わず嫌いという面もあるかも知れませんが、私が若い頃に聞いた音楽に比べ、明らかに劣化している様にしか思えない物に、敢えて時間や金を投資したいという気にもなれないのです。
洋楽もそうなら邦楽も同じです。その傾向は、ますます強くなっていくと思いますが、どうせ私には関係ないことなので、コレ位にしておきましょう…。