我がホンダCX650ユーロも、今年で31年目、元々不人気車であるだけに、年々部品の供給が厳しくなっています。
先月の話しですが、出かけ先でギアのニュートラルに入れようとしたら、スカッ・・・全く手応え(足応え?)が無いのです。
アレっと思ってもう一度やってもスカッ・・・コレはミッションが逝かれたかと血の気が引くのが判りました。
昨年エンジンを開けた時、このシフトリンケージも外しているので、その辺りのトラブル?色々な事が頭に浮かびましたが、
取り合えず冷静になって、シフトペダルの辺りを見てみると・・・シフトペダルが折れていました!
辛うじて一箇所、何とかくっ付いているだけで、完全に折れ曲がった状態です・・・。
今まで30年近くバイクに乗ってきて、正直、転倒以外でレバー類が折れたのは初めてです。
先ずはAA(日本のJAFに相当)に電話をしたものの、金曜日の夕方ということもあり、全く繋がりません。20分位待ったでしょうか?それでも全く電話が繋がらず、こんな状態なら、仮に繋がったとしても、引き取りに来て貰うまでに数時間は間違いなく掛かると思い、車載工具のプライヤで弄って、何とかセカンドギヤに入れることが出来ました。
コレで一応発進も出来るし、スピードも50キロ程度なら出るので、家まで15キロ程、何とか我慢して走り続けました。
やはり上り坂の発進なんか、少し気を使いましたが、Vツインの振動に耐えながら、何とか家まで到達・・・結構疲れました。
手前が破損した方で、丁度、溶接の付け根の部分で折れたのが判ります。
この手のシフトペダルは、非常に特殊な形をしており、しかも、この車種専用となると、まあ、生産中止は当たり前・・・eBay辺りで何とかなるだろう・・・なんて気楽に考えていたところ、全く有りません!ブレーキペダルなら何個も見かけたのですが・・・。
この車種は、アメリカでは販売されなかったので、イギリス、フランス、ドイツ等のebayを見ることになります。
あとは、CXターボの物を幾つか見かけましたが、明らかに形状が違うのでパス・・・。そして、日本では更に台数の少なかったカスタムのモノは、幾つか有りました!当然形状が違うので、コチラもパス・・・。
結局、ネットで新品を購入することができましたが、送料込みで1万円近くになってしまいました!
あれから数週間経ちますが、未だにユーロ用のシフトレバーは、eBayで見かけません。結構頻繁に起こることなのでしょうか?それか、やはりバイクは左側に倒す人が多い・・・というのと関係が有るのでしょうか?
今年、コレクタープレートを取得しましたが、これだけ部品供給が悪くなると、本当にコレクターアイテムになってしまいそうです。
現在手に入る部品というと、基本、同年代の他車と共用の物ばかりで、この車種特有の部品は、年々むずかしくなっている様です。
今のところ元気に走っていますが、出先で故障した時のリスクを考えると、遠出も難しくなりそうです。
かつてホンダといえば、最も部品供給の優れたメーカーでした。本田宗一郎社長のポリシーで、一台でも走っているなら部品を供給する…というものだったのですが、それが明らかに変わったのが、90年代になってからだと思います。
宗一郎社長亡き後、そのポリシーは大きく変更された様で、しかも80年代といえば、モデルチェンジを乱発した時代です。その部品供給は、真っ先にリストラの対象になった様です。
部品を維持管理すれば、保管場所が必要で、それに人件費が掛かり、固定資産税も掛かります。ソレを考えれば、有る程度は仕方が無いのかも知れませんが、国内4社で最悪、10年前のモデルでさえ欠品だらけと言われる様になるとは、少し考えものです。
特に80年代のバイクといえば、私に言わせれば、最も手頃に乗れて、完成度が高いだけに、残念な話しです。