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ホンダCB450新旧対決!

ホンダ
09 /25 2016
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- 正にホンダスピリッツの結晶で、DOHCエンジンは、43馬力をはじき出しました。

先日、ある人と話しているとき、昔、ホンダCB450に乗っていた!という話しが出てきました。

CB450…これは1965年に登場したホンダの意欲作で、当時世界的に人気のあったトライアンフ・ボンネビルT120(650cc)に対抗するには、ウチの技術では450ccで十分だ!といって開発されたモデルでした。

量産車では例の無いDOHCヘッドを奢り、しかも、バルブスプリングは、高回転での共振(サージング)を防止する為に、通常のコイル型スプリングでなく、トーションバーを使う等、正にGPレースからの技術をふんだんに投入した、ホンダならではの独自性に拘ったモデルだったのです。

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 -K1 外装が変更され、馬力も45馬力に向上しています。

ところが…幾ら高回転で馬力を搾り出したところで、排気量の小ささから、実用域での余裕に欠け、しかも回すと凄まじい振動に襲われ、高速安定性も悪いソレは、イマイチ支持されず、後にCB750の登場後は、熟成と共に、手頃な小型バイクとしてロングセラーになりました。

因みに、あの軽自動車N360は、このエンジンがベースになっています!

凄いバイクに乗ってたんだな・・・なんて思いながら会話を進めると、コイツではなかったのです。

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このCB450と言う名前、日本では馴染みがありませんが、海外では、ホーク系の400ccが、81年頃から450ccになっており、彼が話していたのは、ソレの事だったのです!

ホーク系が登場したのは77年、CB400Fourのコスト面での苦労の反省から、とにかく安く作る事を第一としたもので、私も含め、多くの人からイマイチな印象で取られたものですが、同時に、その扱いやすさ、耐久性、そして性能と、正にホンダの技術を最大限に投入してコストダウンを計ったエンジンでもあるのです。

60年代後半、DOHCヘッドによって無理やり搾り出した45馬力も、80年代初頭になると、メンテナンスフリーで、しかもOHCヘッドで余裕を持って出せる上に、振動や扱い難さも余裕を持って解決していたのです。

そういった意味では、このホーク系の450ccエンジンは、ある意味凄いとも言えるのですが、イマイチ熱さが伝わってこないというか、要するに輸出仕様の廉価版…といった何処か冷めたイメージでしかないのです。

70年代のホンダというと、自動車への進出、排ガス規制への対応等もあり、多くの技術者がそちらに取られていた時代で、地味なモデルが多いのですが、例えば本田宗一郎作品に多かった、鉄板プレス製のダイヤモンドフレーム、超ショートストロークによる高回転エンジン等、そのスピリッツが生きていたりもするのです。

この二台を見比べると、世界に打って出る当時の意欲(無鉄砲さ?)に満ち溢れた前者と、世界に打って出て支持された後、余裕を持って程々に作られた後者…そんな図式が見えて来る様な気がします。

後者の方は、何かと悪口を書きましたが、コレだけ年数が経っていながら、今でも平然と走っている辺り、やはり相当な実力者だと言わざるを得ません。ある意味、こんなに維持の楽なバイクも無いので…。

本田宗一郎社長というと、高性能というイメージを持たれていますが、それは「実用性」を得る為には高性能である必要がある…という考えから来ています。そして、氏が市販車で拘ったのは、一貫して実用性であったことを考えると、このホーク系というのも、別の意味で本田宗一郎スピリッツの満載なのかも知れません。

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ホンダの部品供給について

ホンダ
09 /18 2016
かつて、ホンダは旧車の部品供給に於いて、ダントツトップだと言われたものでした。
本田宗一郎社長のポリシーにより、一台でも走行しているのなら、部品を供給するとというのを実践していたのです。

日本で旧型車に目が向けられる様になったのは、1987年の事でした。それまでは、正に秒進分歩の進化を続ける日本車に、皆が狂喜していたのです。

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 - 1987年、急にプレミア騒動を起こしたカワサキZ750RS(Z2)

ところが、87年頃になると、パフォーマンスの向上と共に、年々犠牲になりつつある快適性、実用性に疑問を抱く声が聞かれる様になり、また、某漫画の影響もあり、カワサキZ750RS(Z2)の中古価格がみるみるうちに上昇していったのです。

それまで、バイク屋の片隅で埃を被っていて、20万でも見向きもされなかった旧車に、僅か半年で80万の値段が付く様になったのです!

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 - ホンダCB750Four.... 部品の心配の無いのが強みでした!

ソレと同期して、様々な旧車にプレミア価格が付く様になったのですが、その中でもダントツ、ホンダの部品供給は信頼できるものだったのです。

ところが…よく考えて見れば、80年代末に持て囃された旧車というのは、大抵70年代のものです。当時、生産中止から、10年少々しか経っていなかったのです。

翻って、現在はどうでしょうか?
例えば人気のCBX400F、CB750Fといった車種も、既に35年を経ているのです。

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 - 87年当時、果たして何台こんなのが走っていた事やら…?

87年に35年選手というと、50年代初頭の、それこそホンダが本格的にバイクを作り始めた頃のバイクということになり、要するに「箱根の山を越えた」というあの時代です。果たしてその当時、それらの部品が手に入ったのでしょうか?恐らく、性能的にも全くダメなそれを80年代末に乗っている人も居なかったでしょうし、部品の要望も無かったことでしょう。

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  - 根強い人気のCBX400Fも、既に35年選手!

ところが今日、70~80年代のバイクでも性能的には十分な物を持っており、そして、それを好んで乗っている人は沢山居ます。

部品の枯渇の原因として、幾つかの要素が挙げられます。

  1. 80年代初頭のニューモデルラッシュにより、部品の供給が大変なことになった。

  2. ホンダのバイクの現存率の高さ。

その現存率の高さは、ホンダが基本的に耐久性に優れていたこともありますし、他社の部品が厳しくなり始めた頃、まだ部品があり、廃車を免れた事もあるでしょうし、以前は、10年以上経った車両は毎年車検を受ける必要があったことから、最長10年で殆どが廃車になっていたものが、制度改正により、古い車両の維持が、より楽になったというのもあるでしょう。

 3. 部品のストック、部品の金型といったモノにも場所代、税金が掛かる。

 4. 部品を生産中止する時点で、有る程度の量を見込んで生産したものの、現存数の多さから、予想外のペースで消費されてしまった。

旧型車に関しては、主にこんな所でしょう。

その上に、従来、決まったメーカーと部品の取引をしていたものを、「グローバル化」とやらで海外とのメーカーとの取引が始まり、従来の部品メーカーを蔑ろにしたツケもあることでしょう。

本田宗一郎社長死去に相前後して、ホンダSFは閉鎖され、ディーラーへの干渉を始め、ムリな統廃合を進め、二輪と四輪を切り離し...そして、その辺りから旧車の部品が手に入り難いという話しを耳に挟む様になってきました。

様々な要素が絡み合って、現在の部品枯渇が起きている訳ですが、だからと言って、無視を決め込んで済む問題でもありません。

更にもう一つ言えば、正直、最近の部品に関して、その品質に少なからず疑問を抱いているのです。

昨年交換したフロントフォークのシールは、僅か1年で漏れてきました。30年バイクに乗っていて、何度もフォークシールの交換はやっていますが、1年で漏れたのは初めてです。しかも、路面にシミを作り、エンジンやブレーキまで飛び散る程酷いものでした。

ドライブシャフトのシールは、交換後、数ヶ月で凄まじい漏れを発生!そのシールは、完全に破断していました。

私も長年メカニックをやっているので、シールの扱い方位知っていますし、シャフトの遊び、錆びといった漏れの原因だって知っています。仕事でも、私のミスでシールからオイル漏れを起こしたことは皆無です。

こんな真新しい?シールが破断したりするのは、正直、日本車では余り考えられないのですが …。

もしかしたら、30年前に製造されたゴム部品が当たり前に出回っているのかも知れません。

最近、NSRなんかの部品の再生産が始まったそうですが、是非、その流れを他車にも広げて貰いたいものです。

最低限、シール類、ケーブル、フィルター類、オーバーサイズピストン、ブレーキパッド、ピストン等は、どうしても必要です。

ロッキー山脈ツーリング 修理編

カナダ情勢
09 /16 2016
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 - 燃料を漏らしながら、最後の休憩地ラングレーにて撮影

燃料漏れを起こしながら、何とか無事バンクーバーまで700キロの距離を走破した、我がホンダCX650ユーロ…。

修理するに当たり、問題になるのが、如何に部品を調達するか?なのです。

かつて、部品供給でダントツトップであったホンダですが、本田宗一郎社長死去後は、目に見えて悪くなっており、ほんの10年前に生産中止になった車種に於いても、欠品だらけ…という体たらくぶりで、バイク屋自身が「ホンダなんか買うから」という始末です。

当然、CX650ユーロのキャブレーター・シールキットも欠品になっており、部品の入手には、二通りの方法が考えられます。

  1. Ebay等で、リプロ部品を買う。
  2. 部品の現物合わせ。

1の場合、部品に当たり外れがあること、そして、大抵海外から来るので、時間が掛かるという問題があります。

現在、取り敢えず問題なく走る様にするのに最低限必要なのは、Oリング4つです。

そんな訳で、敢えて2の現物合わせで揃えることにしました。

こういう時、ホンダは役に立たないんですよね…。そして、最初に足を向けたのが、近くにあるヤマハのディーラーでした。ココでは、キャブレーター用ということで、様々なOリングを用意してあり、4つのうち、二つの3.8×1.9mmを揃えるころができました。

そしてもう一箇所、近所のスズキの店で、残りの二つの5.8×1.9mmを揃えることが出来ました。
ココは、古くからやっている店で、お洒落な雰囲気とは無縁の店ですが、長年の歴史故に皆知識が豊富で、こういう時に助かるのです。

結局、ホンダのOリングを入手したのが、ヤマハとスズキであったという事実!

お陰で、長期間乗れないという事態に陥らず、シーズンを無駄にせずに済みました。

何回もキャブレーターを降ろしたので、簡単なやり方も発見しましたが、それにしてもホンダの部品供給は、情けないの一言ですね。

そりゃ、新しい物を売るのが商売なのは分かりますよ。そういう面で見れば、古い製品なんて乗っている人は、迷惑以外の何者でも無いのでしょう。

しかし、古い製品があるからこそ、会社としての伝統と歴史があり、長年にわたって築いたブランドイメージがあり、それ故に今の新しい製品があり、そして顧客が居るんです。

大体、ホンダが現在、昔のように圧倒的な強さが無い理由も、こうやって古い製品を蔑ろにしているからというのも、無関係じゃないと思いますよ。

私は、今の新しいバイクに全く興味が無いので、新車を買う事はありませんが、買うとしたら、部品供給の悪いホンダは、間違いなく避けますね。

ケーブル類全て、エアフィルター、ブレーキパッド、キャブレーター・シールキット…こんな当たり前のモノすら無いんですから…。

メカの知識の有る人ならともかく、そうでなければ、たかが数百円のOリング欠品の為に廃車という事態になり兼ねないんですから、もう少し何とかして欲しいものです。

ロッキー山脈ツーリング 番外編

カナダ情勢
09 /15 2016
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前回、アメリカツーリングに行った時、一番苦労したのが、凄まじい風圧と、荷物の管理でした。

私のCX650ユーロとほぼ同じスタイルの先代CX500ユーロが発売されたのは82年、丁度日本でカウルが解禁された年のことでした。それ故に、コレに付いているカウルは、まだエアロダイナミクスのノウハウが十分ではなかったのでしょう。

この低すぎるスクリーンのせいで、整流された風が、顔から肩にかけて、凄まじい勢いで吹きつけるのです。正直、取り外して全く無い方がマシなのです。

そこで、カウルを完全に取り払って、社外の大型風防スクリーンを取り付ける、カウルに加工してスクリーンを取り付ける…といった方法を考えてはみたものの、カナダでは、その手の製品を在庫している様な店は皆無で、現物に合わせた上で検討する…という事が出来ません。特にカウルに加工するとなると、既に部品が手に入らないだけに、慎重にならざるを得ません。

そんな時に見つけたのが、MRA X-Creenという製品で、純正カウルの上に、無加工で取り付けることが出来、しかもサイズ、形状的にも、CX650ユーロに適したものでした。

以前は100キロ巡航でも、凄まじい風との戦いだったのが、120~130キロ巡航も難なくこなせる様になりました。

トップボックス…コレが便利なのは百も承知ながら、コレを取り付けるのに、一番問題になるのが、リアキャリアが必要なことです。

特にこのバイクは、カナダでも非常に台数が少なく、日本でも超不人気であった上に、日本では、元々キャリアを取り付ける文化が無いので、仮に人気車であったとしても、古いバイク用のキャリアを探すのは、大変な困難が伴います。

現在の物を加工すれば・・・確かにそうなのですが、スクリーンと同じ、現物を在庫している様な店は無く、現物も見ずにネットで購入するというのも、大きなリスクが伴います。

結局、Ebayでドイツから購入したものを使用していますが、やはりコレがあるだけで、荷物の管理が楽になります。宿にチェックインする時は、ワンタッチで外し、スーツケースの様に持ち込めます。

ただ、当然ですが、重心がより後ろに移動するので、操縦性は悪くなりますが…。

タンクバッグには、雨具、防寒着、タオル、非常食、飲料水といった、ライディングに直接関わるものばかりを入れ、バイクから降りずに手が届く様にしてあり、トップケースには、着替え等、ライディングには直接関係無いものを入れています。

因みにカメラだけは、振動を嫌うので、デイバックに入れ、背負っています。

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オリンパスE-M10、パナソニック12-35mmF2.8、35-100mmF2.8、15mmF1.7、
25mmF1.4、オリンパス45mmF1.8の組み合わせです。

コレだけのセットで楽に持ち運べるんですから、やはりマイクロフォーサーズというのは、手頃で良いですね。コレがキヤノンの一眼レフなんていうと、7~8キロにもなってしまうので...。

その他には、スマホホルダーと、USBのパワーポイントで、ナビゲーションを使える様にしています。

最近のバイク用スマホホルダーは、パイプハンドルに取り付ける様になっているのですが、このバイクは、ハンドルがフルカバーになっているので、ミラーのステーに加工して取り付けてあります。

2年前からカメラも一新し、バイクも、アメリカでの経験から改良を加えたので、随分と楽になりました。

あとは、ハンドルの振動対策だけですね…もう少し、重いウェイトと防振グリップ等を試してみたいところです。

ロッキー山脈ツーリング8

カナダ情勢
09 /14 2016
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ゴールデンからは、雨の中をずっと走ってきましたが、カムループスに近くなるにつれて、天気が良くなってきました。

本当は、余り晴れている中を走りたくなかったのですが、翌日、カムループスのモーテルを発つと、ダウンタウンにも寄らず、ひたすらバンクーバーを目指しました。

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来る時は、この辺りを通った頃には真っ暗だったのですが、改めて見ると、ネバダ州の砂漠を思い出す様な光景が広がっています。

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そして、これまた街灯一つ無い暗闇だった故に実感が無かったのですが、バンクーバーからカムループスまでは、全て完全に片側二車線が完備されており、大変に走りやすい道路でもありました。

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 - もう、こんな季節になりました・・・。

丁度昼前に、来る時に休憩を取った小さな町、メリットに到着しました。暗闇の中では、その町の灯が印象的であったココも、昼間見ると、本当に田舎町です。町の中でファーマーズマーケットをやっていたので、少し足を止めました。

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 - コレも、アメ車なら様になるんですが…。

昼食は…当然マクドナルドに…。町の数少ない店故に、大変に混雑していました。
高速のインター付近とあり、地元の人も、旅行客も立ち寄る場所なのです。

この辺りでも、雨が時々パラパラと落ちてきます。これから山の中に入るので、どうしても不安が残るので、早目に帰路に付きます。念のために、ココで給油をして…。

ココから、次のホープまでは120キロ、全く何も無い山の中になります。来る時は全くの闇の中であったので、分からなかったのですが、山の中にしては、随分と広くて走りやすい道路でした。かなりアップダウンはあるものの、順調に距離を稼ぎます。

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 - ホープのメインストリートです。

ホープは、グレーターバンクーバーの入り口になります。ココまで来れば、帰ってきたも同然です。時間的にも、気分的にも余裕が出ていたので、高速を下りて、ダウンタウンに向かいました。

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所謂、一番大きい建物が映画館…という、典型的な田舎町です。

ココを出れば、あとはバンクーバーへ一直線です。コレ以降の道は、ひたすら真っ直ぐ…まあ、逆にそれで眠気が襲ってくる訳ですが…ココまで来れば、馴れたものです。

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途中、ホープから100キロ程の所にあるラングレーでコーヒーショップに入り、休憩を取りました。この様な古いバイクに乗っている以上、1時間か100キロ毎の休憩は欠かさない様にしています。北米の道は、とにかく単調なので、睡魔が襲ってくるのです。

そして、バンクーバーに近くなる程、天気が回復してきています。ラングレーからは、僅か50キロ、以前、通勤した事もある距離なので、何てことはありません。

同時に、車の数が飛躍的に増え、いやが上ににも、帰ってきたことを実感させられます。

燃料漏れも、特に走りに影響が無かったのが幸いで、何とかバンクーバーに無事到着しました。

7日間で、トータル2,161キロ、実質、ゴールデンでの1日は全く走行距離を伸ばしていないので、実質6日間で…という事になります。

一日辺りの走行距離は、360キロということになります。私個人的には、この手のバイクでの快適な一日の走行距離は200キロ前後だと思っているので、そう考えると、やはり北米のツーリングというのはハードであり、それ故に、あんな巨大で重いバイクが人気あるのです。

前回アメリカに行った時と比べると、今回は、トップボックスを装着したこと、そして、カウルにMRA X-Creen(延長スクリーン)を装着したので、荷物の管理、風圧の面で遥かに楽になりました。

その他にも、スマホをナビゲーションとして使い、充電用にUSBポートを装着し、それだけでも随分と快適になったものです。

次は、今回行き損なったBC州の中央部辺りに行きたいところです。











ロッキー山脈ツーリング7

カナダ情勢
09 /13 2016
ガソリン漏れだけならまだしも、またしても、追い討ちを掛ける様に、スタータがウンともスンとも言わなくなりました。

スイッチは大丈夫そうだから、ソレノイドが完璧に逝かれたか?なんて思いながらも確認してみると、ヘッドライトの裏の辺りで、配線のカプラーが外れていました。長年の振動で少しづつ緩んできていたのでしょうか?

ソレを繋いだら、取り敢えずエンジンは掛かりますが、燃料漏れが…。

翌朝、もう一軒あるATV専門店(同じくバイク屋兼業)に行ってみました。相変わらず部品が無いのには変わりないものの、非常に親身に色々と教えてくれたのが嬉しいところでした。

彼ら曰く、この辺りで一番部品を持っているのが、フォードのディーラーだということで、そこに行ってみることにしました。同時に、ココが唯一の車ディーラーなのです!
GM、クライスラーが無いのは、倒産と関係有ったそうです。そして、ポリスカーは、まだフォードだということです。

ココも大変親身に相談に乗ってくれ、サイズ的に近そうなOリングを4つ調達してきました。しかも無料で…この程度で伝票を発行するのが煩わしいというのもあるのでしょうが、嬉しいものでした。

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 - コレがダウンタウンのメインストリートです!

この町に到着したのが夜中で、しかも前日からバイクの故障に掛かりっきりとあり、この町を観光する機会が全くありませんでした。フォード(ダウンタウン中央部近く)まで徒歩で行き、初めて少しこの町に触れた気がしました。

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 - 写真もiPadによるものです。天気の変化が激しく、何度も雨が降ってきました。

しかし、ユックリしている暇も無く、宿に帰ってからは、再びキャブとの格闘です。
新しいOリングは、少し純正サイズよりも細いのですが、30数年経ってひび割れた上に、変形しているモノよりもマシだろう…ということで、交換しました。

更に、前日購入したシーラント剤に、更にダメ押しに、チューインガムをパイプの所に塗り付けました。

チューインガム…実はコレ、ガソリン漏れの応急処置の一つでもあるのです。

組み上げてからは、シーラント剤を乾かす為に暫く放置する必要がありました。
その間に、変更になった宿やルートの再確認等を行い、夕方5時頃にエンジンを始動しました。

すると…マシにはなったものの、まだ漏れています。こうなってはお手上げです。これ以上ココに滞在して、状態が良くなる術もありません。例えばEbayなんかで社外の部品を購入するにしても、2-3週間は優にかかります。

因みに、カナダのチューインガムは、シッカリとガソリンで溶けました!

ココにバイクを残し、バスでバンクーバーに帰る…コレだって置く場所も無い上に、一月以上はかかります。

更に、そうこうしているウチに、またスターターが廻らなくなりました。一体何処まで問題起こせば気が済むんだか・・・?本気でジャンク屋送りを考えました。
確認したら、もう一本のハーネスのカプラーが外れていました。この頃のホンダのカプラーは、振動で外れるんですね…。

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丁度小雨も降っていることですし、むしろ燃料漏れを起こしているには、今が走るのに最適…ということで、出発を決意しました。燃料漏れということは、燃費の面での心配も出てきます。次のスタンドまで148キロもあるので…。

結局燃費は若干落ちているものの、走行に問題をきたす程では無いということで、雨の中、360キロ先のカムループスを目指すことにしました。

私は、雨の中での走行が事の他きらいで、パラパラ降ってきた位でも予定を変更する位なので、更に暗く、寒く、道路も曲がりくねっていて、正に人生最悪のライディングでした。

本来なら、知人のいるVernon、そしてKelowna辺りを訪れる予定だったのですが、最短距離で走るため、ハイウェイ1上にあるカムループスに滞在先を変更したのです。



ロッキー山脈ツーリング6

カナダ情勢
09 /12 2016
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 - この赤丸のOリングの欠損...既にメーカー欠品です。

朝、取り敢えず前日発生したメーターからの異音を応急処置する為に、メーターケーブルと、そのメーター側のジョイント部にスプレーグリスを吹き付け、取り敢えず、サイレンの様な唸り音は消えました。

ところが…それから暫くすると、全くエンジンが始動しなくなってしまったのです。このバイク、スターターソレノイドとスタータースイッチに持病があり、騙し騙し乗っていたのですが、こんな所で全くウンともスンとも言わなくなってしまいました!

ずっと、スターターを押して、数秒経ってから回り始める…という感じだったのです。

ソレノイド自体は、何度か分解掃除やっているので、簡単なのですが、それでも全く反応はありません。スイッチか・・・ということで分解したいところなのですが、スタータースイッチを取り外すには、スロットルケーブルを取り外す必要があり、しかもその作業には、キャブを取り外さないと、実質的に不可能な場所です。

こんな所で…取り敢えず、キャブを降ろし、スロットルケーブルを外し、スタータースイッチを分解し、清掃しました。

それにしても、この世代のホンダって、本当にこのキャブ周辺の整備性が恐ろしく悪いですね。同時代のカワサキなんか、それは楽なモノでしたけど。

そしてキャブを取り付けると…始動はするものの、キャブから燃料漏れが発生!場所は、二つのキャブを連結している2本の燃料パイプです。こんな出先でキャブ弄りとは…幸い、必要十分な工具を持っていたんですが、肝心なOリングが手に入らないのです。

コチラで手に入る汎用のOリングは、皆インチサイズで、日本のキャブレーターに使われているものは、メトリックで、しかも余り一般的ではないサイズなのです。取り敢えずネットで検索し、必要なOリングのサイズだけは見つけておきました。

現在使っているOリングを下手に外すと、破損する恐れもあり、最悪の事態になり兼ねないので、安易に中途半端な汎用品に交換…というのは、非常に危険な賭けなのです。

宿の近くの修理工場や、スノーモービルショップ(バイク屋兼業)でも、手に入らず、取り敢えず、用品店で、ガソリン対応のシーリング剤を購入し、古いOリングと共に組み立てました。

それでも直りません。

シーリング剤を乾かす時間も必要だったので、その時には、既に夕方になっていました。本来なら、とっくに出発している所だったのですが、ゴールデンにもう一泊する他ありません。

ロクに部品も無い、ホンダのディーラーすら無い(有った所で、部品は欠品なので)田舎町での故障、工具があるとは言っても最低限のモノで、作業効率も極めて悪い…想像を絶するものでした。

この辺りは、写真を撮る暇もありませんでした。


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カナダ情勢
09 /10 2016
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当初、バンフには3泊し、その後は北のエドモントンまで足を伸ばす予定だったのですが、そうすると、予報は暫く雨続きになり、特に帰路に大いに影響するということで、2泊で切り上げ、エドモントン行きも諦め、帰路に付くことにしました。

エドモントンの様な内陸の平野部では、雷雨になり易いこと、そして山間部は長距離走行を強いられることもあり、雨予報の中での走行は控えたかったのです。

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先ずは前日、天気がイマイチだったレイク・ルイーズに戻りましたが、やはりこの時期は、早めの時間の方が、逆光にならずに、きれいに見えました。それにしても人が多く、手前で交通整理をしていた位です。

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次に、有名?なMoraine Lakeにも…。よくバンフの写真に出てくるキレイや山と湖の写真は、実はココだったりするのです。

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レイク・ルイーズからは10㌔程なのですが…山の天気は変わりやすく、ココに着いた頃には、薄曇りになっていました。
やはり、冬の空気の澄んだときの方が、キレイに見えるのでしょう。

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そしてココからは、来る時に通ったハイウェイ1を少し戻り、ハイウェイ93を南下する様なコースになります。

ハイウェイ1ですら、場所によってはかなり凄い部分があったので、どんな風か心配でもあったんですが、意外なほど道もシッカリしており、しかも交通量も少なく、極めて快適なルートでした。

このコース、大半はBC州を通っているのですが、この時初めて、境界線を越えても時間が変わらないことを知りました。

ラジウム・ホットスプリングも近付いた頃、道幅も狭くなり、ヤギの集団に道路を占領される事態が発生…彼らも馴れているのか、慌てる訳でもなく、ユッタリとしたものでした。しかし、コレが夜だと危なかったかも知れません。

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さて、このラジウム・ホットスプリングという地名…こんなBC州の外れの小さな田舎町なのですが、実は随分と前から、その名前だけは知っているのです。

…というのも、昔、日本で英語の勉強をしていた時、先生の一人がココの出身だったのです。Googleマップなんか無い時代で、当時、私の身の回りにある地図では確認すら出来ない小さな町なのですが、その珍しい地名は鮮明に覚えていました。

バンフを出てから、当日初めての町らしい町…とは言っても、正にニュージーランドの田舎町の様に、ガソリンスタンドが2件ある以外は、全て一件ずつ、大手のチェーン店は皆無で、全て地元の個人経営といった感じの町です。

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ココで気が付いたのが、メインストリートが高速道路とは分離されている事です。

ご存知の様に、コチラの高速は、日本のような高架になっておらず、通常の道路と高速の分別も、曖昧な所があり、その周辺に店が軒を連ねていることも珍しくは無いのですが、生活道路と幹線道路を、こうやって分けてあるのです。特に積雪地帯でもあるので、スノーモービル等の使用も考えてあるのでしょうか?

それにしても小さな町で、郊外型ショッピングモールも当然無く、一番近い都市といえば、同じBC州のバンクーバーではなく、アルバータ州のカルガリーになります。しかも、それはロッキー山脈を越えて260キロも彼方です! 正に陸の孤島といった地域ですね・・・。

そして、その先生が非常に都会的で洗練された雰囲気の方だったのが、改めて意外に思えたのですが、恐らく大学で都市部に居たのでしょう・・・。

それにしても暑い・・・内陸部は、晴れると異様に暑いのです。アイスクリーム屋に立ち寄ると、中学生位の女の子が二人でやっていました。こんなのも田舎町ならではですね・・・。

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このラジウム・ホットスプリングスですが、名前の通り、温泉が有名です。白人が来る前から古い歴史がある様なのですが、当然コチラのソレは、プールそのものです。
観光地化が叫ばれる今日、もう少し本来の姿に戻すのも、悪くないかも知れません。
それに、水温が日本人の私には少しぬるく、それ故に一度入ったら、出られなくなってしまいました。

夏はともかく、冬に来るとしたら、さぞかし積雪で大変なことは間違いありません。

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本日の宿泊地は、前回、通ったゴールデンです。バンフから直接来れば、130キロ程度の大した距離ではなかったのですが、ラジウム・ホットスプリングスに立ち寄った関係で、随分と遠回りになっています。

ココから更に100キロ以上あります。どうせ途中に大した物がある様には見えないので、ココで夕食を取る事にしました。

こういう所…というか、バンクーバー以外の北米では、どう頑張ってもハンバーガーかステーキになってしまうんですよね…しかもハンバーガーでも15ドルはします。
ココには、中華のテイクアウトすら有りませんでした!

夕食を終えた頃には、すっかり暗くなっており、全く景色の見えないまま、ハイウェイ95を北上しました。大した距離ではないものの、街灯一つ無い真っ暗闇での走行というのは、やはり面白くないですし、不安も多いに有ります。オマケに真っ暗闇での走行というのは、どうしても眠気が襲ってくるものです。

何箇所か街灯のある所で休憩を取りながら、ゴールデンを目指します。

ゴールデンも近付き、速度を落とすと、異様な音に気が付きました。どうも前の方から聞こえてくる様なのですが、高速では、風きり音で聞こえなかったものが、速度を落とすと、ハッキリと聞こえるのです。エンジンの回転音とは関係ない様で、停止すれば音は消えます。

ウーーーーという、まるでサイレンの様な音で、どうやら前輪の回転と関係していそうな事は分かりましたが、ホイールベアリングやブレーキの音ともまた違う…。恐らくメーターなんじゃないか?と思いましたが、既に疲れも極限に達しており、宿を目指しました。

ところが、整備工場なんかが点在する様な辺りでナビが停止してしまいました。どう見ても、モーテルなんかがある場所には見えませんでしたが…。少し戻って、スタンドで聞き、そのもう少し先に、宿を発見しました。

この地域は、田舎のせいか、GPSの効きが良く無いということで、宿で会った方も、同じ理由で、探すのに苦労したと仰っていました。


ロッキー山脈ツーリング4

カナダ情勢
09 /08 2016
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私が前回、バンフを訪れたのは、30年近く前のことでした。
アメリカから入国したので、道路標識がキロ表示なのに驚いたものでした。

7月というのに肌寒く、雨が降ったり止んだりであったのも記憶に残っています。

そして、30年ぶりの街並・・・随分と小奇麗になったというか、観光地化されたというか・・・昔の素朴な街並とは打って変わって、「お洒落なリゾート地」といった風情になっていました。

バンフといえば、山に囲まれた雄大な景色が売りなのですが・・・やはり、この手の景色は、既に見慣れているせいか、残念ながら、凄い…という感動はありませんでした。

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30年前、とにかく気になったのが、どこに行っても日本人の年寄りの団体観光客がウジャウジャしていた事で、その彼らが行儀悪く、身なりも悪く、平気で道を塞ぎ、大声で喋り、ゴミをちらかす・・・まるで現在の何処かの国の国民の様で、「あんなのと同じ国民だと思われたくない」と、心底思ったものでした。

現在、日本人はマナーが良いなんて言われていますが、ほんの30年前は、こうだったのです。

あらゆる国民が居ると思われるバンフです。当然日本人も目にしましたが、30年前とは打って変わり、皆静かで礼儀正しく見えました。

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これだけ観光に依存した街で、しかも、まだ観光シーズン中であるにも関わらず、意外と道路が空いていたこと、交通マナーも非常に良く、更にダウンタウン中心部ですら、全ての駐車スペースが無料であったのには驚きました。

やはり、アルバータ州は、基本的な経済力に恵まれているのでしょうか?
北米では珍しく、公衆トイレなんかが設置されています。

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さて、このバンフで何をやるか? 口は悪いですが、正直、やる事が無いんです!

要するに、この街の周辺に色々な山や湖があり、ソレを見に行く為の宿泊地というのが、この街の姿です。

ダウンタウン周辺の散策の後は、この周辺の山々をバイクで廻ってみました。

しかし、夕方近くなると、どうも曇り気味になり、予報も雨が降るようになっています。
こんな時こそ、レイク・ルイーズでドラマチックな光線が見られるか…と思い、50数キロは慣れた所まで、雨を覚悟で行くことにしました。
案の定、途中で降ったり止んだりしていましたが、こういう時に限って、日が差してきた時の景色は格別なのです・・・。

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しかし…現地に着いてから、それが間違いであったことに気付きました。
…というのも、その時間には、ちょうど逆光状態になり、とても良い写真が撮れる様な光線状態じゃなかったからなのです。

それにしても、レイク・ルイーズの観光客の多さときたら・・・。そして、昔に比べ、随分と整備した様に見えました。

ロッキー山脈ツーリング3

カナダ情勢
09 /07 2016
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ゴールデンで給油を終え、出発します。
実は、この時点で既に1時間の時差が生じているのです。ゴールデンは、BC州とはいえ、経済圏としては、アルバータ州に属する為、時間もアルバータ州に合わせてあるのです。

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そんな事も知らずに、山の中に入っていきます。夕日に照らされた山々が美しくもあり、そして恐ろしげですらあります。道も場所によっては狭く、高速ながら制限速度が40キロなんていう場所もあります。

こんな山道が一体何時まで続くのか…と思っていたら、アルバータ州に入った辺りからでしょうか?ある場所から急に道路の状態が良くなるのです。

アルバータ州は、最近まで石油の採掘で非常に栄えた州で、それ故に社会システムやインフラが、他のどの州よりも良い事が知られていますが、道路にも差がある様です。

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 - 歩道橋の様なモノは、野生動物の生活圏を分断しない為に造られたものです。

この辺りの高速は、私が今まで走った中で、正に最高の一つだと言えるでしょう。
風光明媚な景色に加え、道幅も路肩も十分に取られており、路面も良く、ただ真っ直ぐなだけでなく、適度なカーブもあり、速度の維持も容易で、本当に走っていて気持ちの良い道路でした。

途中、有名なレイク・ルイーズがあります。空模様も丁度良いし…と思い、高速の出口を出たものの…ビレッジから現場までは、また距離があるので、取り敢えず先を急ぐことにしました。

レイク・ルイーズから50数キロ、途中で予想外の雨がパラツキましたが、快適な高速走行を経て、無事バンフに到着です。

この風光明媚な観光地も、物凄い大都会に思えたものでした。

流石に500キロの高速走行の疲れもあり、しかも1時間の時差の影響もあり、夕食に出かけよう…と思ったときには、10時を過ぎていました。

今更食材の買出しに行って料理をする気にもなれず、かと言って開いている店といえば、やたら高価なピザ屋かマクドナルド・・・結局マクドナルドになりました。

やはりバンクーバーとは違い、コチラの方は、食生活がまだまだ…といった印象があります。

americancars4ever

アメ車のブログとして開設して13年目、車以外にも様々な身の回りの話題を取り扱っています。