昔カワサキZ400FXを安く買った話
カワサキ あるブログの投稿に出ていた話しです。
その方曰く、昔、Z400FXを先輩に安く売って貰った…という類の話をする人が時々いるけれど、ソレはみな嘘か、余程気前の良い人間のできた先輩が居たかのどちらかだ...と。
そこで彼が出しているソースが、ミスターバイクBGも88年8月号なのです。確かにそれでは、FXは軒並み50万オーバーになっています。
88年当時、FXは最初期でも9年目であり、その当時ですら既に50万オーバーだったのに、ソレが数万程度で手に入った訳がない…という訳です。
恐らくその方は、当時を知らない方なのでしょう。
日本で旧車の値段が暴騰したのは、87年にZ2ブームが起きた時でした。ソレまでヤマハオートセンター(レッドバロン)で15万でも見向きもされず、隅で埃を被っていたZ2の値段が暴騰し始め、夏頃には80万という値段を付ける様になったのです。
ソレから少し遅れて400にも波及してくる訳ですが、87年の秋頃からでしょうか?CBX400FやFXといった車種まで40万を超えるような値段が付く様になったのは…。
要するにその方がソースとして挙げている88年の時点では、既にFXが値上がりし始めた後な訳です。
その値上がりが始まる前では、レトロブームなどという風潮は皆無で、皆が皆、より新しく、よりレーサーに近い新型に熱狂していた時代で、しかも人気車だった故に台数も多いことから、旧型のFXなんか安く取引されており、珍走系に大量に乗り潰されていたのです。
そして凄まじく雑に扱われた車体が多かったモノが、レトロブームの影響で、急に程度の良い???車体が増えたモノでした。
今でこそプレミア付きで扱われるXJやホークだって、車検切れ現状渡しで1桁ですら見向きもされなかったのです!
CB750なんかは、台数が多い上に、免許取得が困難で、しかも1年車検とあって、空き地で朽ち果てているような存在だったのです!
この時代を知らない人には信じられない話かも知れませんが、日本という国は、元々中古車の価値が非常に低く、特に80年代のバイク乗りの殆どであった10代の若者にとって、車検費用は非常に大きく、しかも毎年新型が出て旧型が見向きもされなくなる時代…それ故に車検切れの車両がタダ同然で売り買いされるというのも、珍しい話ではなかったのです。
よって、FXの話が嘘…というのは、間違いなのです。もう少し古いソースが有れば良かったですね。
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