トルクスとトルクスプラス話
修理それに対してドイツ車なんかではプラスネジなんかは皆無ですし、ボルトは6角、12角、トルクスといった感じなのです。
メルセデスメルセデス・スプリンターのブレーキキャリパーを取り外す時、どうも気になっていたのが、使われているトルクスのボルトが非常に精度が悪く、遊びが多いことなのです。
まあこのボルトは、ブレーキパッド交換時に一緒に交換するモノなので、それ程気にはしていなかったのですが...。
考えてみたらコレ、トルクスプラスですね!
トルクスプラスというのは、トルクスを改良した新たな規格で、従来のトルクスに比べ、星型の角の部分が分厚くなっていて、工具、ネジ共にダメージが少ないのです。
トルクスは1967年にアメリカで開発されたものですが、ヘックスに比べて接触面が曲面のため、面接触で、ヘックスより接触面が大きいので舐めにくい…という話でしたが、コレこそ机上の空論もいい所で、実際は星型の角が非常に弱く、舐めやすいネジの筆頭でもあるのです!
私が初めてトルクスに接したのは、ホンダ車のエアバッグでしたが、当時は組立工が不慣れであったせいか、軒並み舐めていて、しかもロックタイトが使われていたので、取り外しに苦労したものでした。
トルクスは元々登録商標を持っていたこともあり、高価格であることも手伝って、普及に時間がかかりましたが、現在は特許も消滅しています。
そして特許の消滅を機に、1990年頃に登場したのが、トルクスプラスだったのです。
主な違いが、トルクスの弱点である星型の角の部分をより分厚く強化したことです。
そして、この形状変更から、
従来のトルクス工具を使うと、遊びが多くて舐め易くなってしまうのです。
私が初めてトルクスプラスに接したのは、スバルのフライホイールでした。当時何も知らずに皆、通常のT50のトルクスソケットを使っていたのですが、強く締まっているボルトなので、軒並み舐めたり、工具を破損したりしたものでした。
当時、それ用の専用工具が有ったのですが、TP50のトルクスプラスだったのです。
コレも既に登場から30年近く経つ割りには大して普及していませんし、知名度も相変わらず低いままで、正直私も、その存在を忘れていた位でした。
結局トルクスの特許切れで儲からなくなったから新しいのを出した、そして、形状が変更されているということは、要するにトルクスが失敗作だと認めた様なモノです。
既に普及したトルクスに対して、新たにコレが主流になるとは思えませんが…。