クライスラー・ル・バロン・クーペ
クライスラー
クライスラー・ル・バロン・クーペ
先日、クライスラー・クロスファイアーを取り上げた時、せめてル・バロン・コンバーチブルの現代版として出して欲しかった…という事を書きましたが、今となっては珍しくなったル・バロン・クーペを見掛けました。
このタイプは、コンバーチブルと同じく87年に登場していますが、93年にコンバーチブルがフェイスリフトを受けたのに対して、コチラは92年に一足早く生産を終了しています。
コンバーチブルは今でも比較的見かけるのに対して、このクーペは本当に見掛けなくなりました。
やはり趣味性の高い方が残存率が高い様で、コレは北米では絶滅状態であるブリティッシュ・レイランド系の車にも言えることです。
例えばMGBの様な車は今でも大切にされているものの、ADO16系どころか、ローバーSD1ですら全く見掛けないのと同じことだと言えるでしょう。

さて、本当に久々に見たクーペですけど、改めて見ると結構良いスタイルしてるじゃないですか!
この長いフロントオーバーハングは、良くも悪くもアメリカ的ですし、グリルを始めとした各部のクロームの使い方もアメリカ車そのものです。
同時代のサンダーバードと同系のデザインと言えますが、寧ろコチラの方が良い意味でのアメリカの味が残っている様な気がします。
全長4694mmと、ギリギリ日本の5ナンバーのサイズで、全幅は1740mmと少し5ナンバーをオーバーした程度ですが、今改めて見ると、このコンパクトなスタイルながら、意外な程に存在感があるのです。
このデザインは、クライスラーTC by マセラッティーを元にしたものですが、イタリア的な雰囲気を持ちながらも、アメリカ的なデザインを非常に上手くまとめ上げていると思います。
やはりこの頃のクライスラーは、GMやフォードに対して、小型車のデザインを心得ていたと思います。
例えば同サイズのシボレー・ベレッタなんかと比べれば一目瞭然です。
まあ、折角のこのデザインを活かせずに、セブリングなんていう後継車で自爆し、その挙げ句がクロスファイアーなんですから!
70年代に魅力的だったフォードも、リー・アイアコッカ氏が去ると共に碌でもない車を連発する様になりましたが、どうやらクライスラーも同じだった様ですね!
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