GM、自動車労組と労務費減で合意…破産申請秒読み
ニュース【デトロイト=山本正実】経営危機に直面しているアメリカ最大手の自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)は、米連邦破産法11章(日本の民事再生法に相当)の適用申請に向けて秒読み段階に入った。
全米自動車労働組合(UAW)は29日、GMと暫定的に合意していた医療費削減を柱とする労働協約の改定を承認した。
GMのフレデリック・ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)が6月1日にニューヨークで記者会見し、破産法の適用申請を正式発表する見通しだ。
GMは、経営破綻(はたん)を前提に、裁判所管理下から早期に脱却するため、破産法申請前に利害関係者から再建計画案への同意をとりつけておく「事前調整型」の手続きを進めている。優良資産を引き継ぐ「新生GM」は当初、米政府が株式の72・5%を握り、経営が再建されるまでの間、実質国有化される計画だ。オバマ米大統領は1日にGM再建への全面支援を表明する予定だ。
米政府が支援の条件の一つとしている労働協約の改定について、労組側と最終合意したことで、破産法申請に向けた手続きが前進した。5月27~28日に行われた組合員による投票の結果、74%の賛成で承認された。
デトロイト市内のUAW本部で29日に記者会見したロン・ゲテルフィンガー委員長は、「GMに何が起きても、覚悟はできている」と述べた。
新たな労働協約は、退職者向けの医療費削減など、UAW側の権利を抑える一方、GMが2007年の労使協議で約束した医療保険基金に対する200億ドルの現金拠出を半減させる代わりに、UAWが「新生GM」の株式17・5%を取得する内容が盛り込まれている。
残り10%の株式は、30日を期限として債権削減の調整を進めている旧GMの債権者に割り当てる計画だ。
ギブス米大統領報道官は29日、4月末に破産法申請をした同業のクライスラーの再建に向けた動きが順調に進んでいるとの認識を示した上で、「GMにとってクライスラーが良い手本になるだろう」と述べた。
(2009年5月30日11時33分 読売新聞)
クライスラーに続き、GMの破綻も既成事実の様です。
かつて、世界の半分はアメリカ車、そして、その半分がGMと言われた、あのGMが・・・です。
かつて、世界の半分はアメリカ車、そして、その半分がGMと言われた、あのGMが・・・です。
ここまでの動きを見ていて気になるのが、話が債務の削減といった事ばかりに終始していることです。
90年代後半以降、アメリカの経済は非常に順調で、GMも大型SUVの売り上げで大いに懐を潤していました。ところが、あれだけ潤沢な資金が有りながら、それが良い車を作ることには全く反映されませんでした。
景気が良く、手元に潤沢な資金がある時ですらソレなのですから、経営破たんして、債務処理をしたからといって、簡単に再生が出来る様には思えません。
90年代後半以降、アメリカの経済は非常に順調で、GMも大型SUVの売り上げで大いに懐を潤していました。ところが、あれだけ潤沢な資金が有りながら、それが良い車を作ることには全く反映されませんでした。
景気が良く、手元に潤沢な資金がある時ですらソレなのですから、経営破たんして、債務処理をしたからといって、簡単に再生が出来る様には思えません。
設計をオペルやオーストラリアのホールデン、韓国の大宇に丸投げしているのが、現在のGMの姿ですが、肝心なオペルとの関係も切れようとしています。そして、アメリカ本国では、既に一世代設計にブランクが開いているだけに、ソレを取り戻すのは、容易なことではありません。
政府管理下で債務処理をすれば・・・というのは、余りに安易な希望的観測に思えてしまいます。
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コメント
No title
2009-05-31 11:13 ニャンタマ URL 編集
No title
私もホンダに勤めていたことがあります。当時、バブル崩壊の真っ只中で、特にインスパイア、レジェンドの不振が響いて、経営が怪しかった時代です。
そんなホンダが、オデッセイで奇跡的な復活をしたのには、驚きましたし、90年代初頭のそれらの車が、10年後に見た時、意外な程品質が良かった事にも、改めて驚いたものでした。
そして、ホンダの後、アメリカ車を体験しましたが、その時代、時々ホンダ車が入庫すると、非常にシッカリ出来ている印象を改めて受けけました。
そして、現在、その様な結果になってしまった様です。
クライスラーに対しては当時より先行き不透明な論評はありましたが、GMまでとなると、本当に恐ろしい時代ですね。http://blogs.yahoo.co.jp/hiro_hosono15oct/16049279.html
コチラでも言及しましがた、アメリカでの現役世代のアメ車離れが、拍車をかけたのは間違いありません。
2009-05-31 14:25 消え行くアメリカ車たちを追って URL 編集