トヨタ・スプリンター・トレノ AE86
日本車80年代を代表する・・・と言える車の一台に、ハチロクを忘れる訳にはいきません。
土屋圭一によるドリフト走行で有名になり、若い世代には、某豆腐屋の漫画で人気を誇ります。
さて、この世代を超えて愛されるハチロクですが、一体何がそんなに魅力なのでしょうか?
この車が発売されたのは、1983年、当時のトヨタはFF化に対して、非常に慎重な立場を取っていました。
そこで、4ドアセダンのカローラは新規のFF、2ドアクーペのカローラ・レビン、3ドアハッチバックのスプリンター・トレノは、従来のカローラのシャシーを流用したFRで発売したのです。
今では改造スポーツカーとして有名なハチロクも、この時点では、普通のファミリー向けクーペでしかなかったのです。そして、当時の若者からは、実用的な「デートカー」として人気があったのですが・・・それでも特別に際立った存在でも無く、その当時、一体誰が今日の状況を予想したでしょうか?
この車が俄然注目を浴びたのは、むしろモデルチェンジで次期モデルがFFになってからでした。シンプルかつコンパクトなFR車が市場から消えた…ということで、ドリフトを楽しむ人たちから、俄然支持を集める様になったのです。シンプルかつ安価に改造出来る辺りも、若者から支持された理由でした。
90年代に入り、ハチロクの様な車を求める声に対して、トヨタが出したのは、アルテッツァでした。
最初はFRのシンプルな車…と考えたのでしょうが、段々と色々な欲が出てきたのでしょうか?
気が付いたら、若者向けというのは高過ぎ、高級車というにはガキっぽく、スポーツ…という程でもない…結局全てに於いて中途半端になってしまい、後にレクサスISとして、高級路線に走ることになりました。
そして、現在販売されているハチロクですが…やはりスポーツカーとして、少し頑張りすぎたんじゃないでしょうか?
旧ハチロクの持っていた手頃さも、実用性も全く無いんですから。
ハチロクを復活させようとするなら、先ずスポーツカーとして考えるのは間違えです。
あくまでも、スポーティーな雰囲気のクーペ程度に留めて置くべきなのですが…結局ファンが多い、開発も横槍が多い…こんな具合に、結局似ても似つかない車になってしまうのでしょう。
事実、現在ハチロクに乗っている人たちというと、中年以上が殆どです。
安車が高級路線にシフトしたところで、成功は難しいところです。むしろ安車は安車のままで、原点に帰る勇気こそが必要なのかも知れません。
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コメント
No title
AE86 いいですね 大改造車でなく ちょと 車好きかなぁ 程度の感じのAE86 欲しいですが とても 手の出る価格のもの ございません… 仕事柄 AE86より ホンダ EF3/EF7 CIVIC/CR-X 数台乗り継ぎ 楽しんできました 仰々しくなく お手軽感の ある に 出会いたいものです。 車は 楽しい ものです
2016-05-23 03:39 長岡屋 URL 編集
No title
今は、こういう手頃な価格のシンプルな車が本当に無いですね。
86もシンプルな車だったのが、今やスポーツカーです。
あえて言えば、スイフトスポーツ位でしょうか?
CBXのプレミアといい、異常ですね。
2016-05-23 03:59 消え行くアメリカ車たちを追って URL 編集
No title
30万ぐらいで流通してる中古車が腐るほどありましたからね。
86乗りは二台三台乗り潰すのが当たり前、家の敷地には部品取り用のドンガラが鎮座してるみたいな・・・
事故ったら修理するより乗り換える人も多かったでしょう。
いっそGT40みたいに見た目そのままで出せばと思いますが、それやると現代のデザイナーの敗北宣言ですからね・・・
2016-05-24 23:59 Monji URL 編集
No title
カリーナも一頃、新旧両方ラインナップしてたね。
結局ハチロクは安いから改造ベースになって、安いから無茶する車だった。
要するに、少し大きいけど、シルビアみたいな車で良いんだろうけど、そういうフツーのクーペって、現在のマーケティングからは、出てこないのかもね。
2016-05-25 09:29 消え行くアメリカ車たちを追って URL 編集