Jeep Cherokee
クライスラー84年に登場。この手の車は、ピックアップトラックとシャシーを共用しているものが多いのですが、この車は専用設計で、独立したフレームを持たないモノコックボディーが特徴です。
クライスラーに買収される前のAMCによって開発、発売されましたが、その親会社であったルノーの影響か、比較的コンパクトな車体が特徴で、90年代前半、SUVがブームとなった日本でも、大いに人気を博しました。
日本では、90年代初頭から、ホンダがジープの販売に乗り出しました。SUVブームの中、自前の車種を持たないホンダは、他にも、ランドローバー・ディスカバリーをホンダ・クロスロードとして販売していました。
チェロキーの人気は、370万円という価格が比較的リーズナブルに感じられた事、アメリカ車として初めて右ハンドルを用意したことも大きいと言えるでしょう。
加えてホンダから販売されているというのも敷居を下げるのに大きく貢献しました。
実際、ホンダが品質管理に関わる様になって、劇的に初期トラブルが減りました。特に初年度だけで120箇所以上の改善要求をを出したというのは有名な話です。
当時のホンダは、バブルの崩壊、新型エンジンレイアウト、シャシー、トランスミッションと、途轍もなく金の掛かったインスパイアの不振のお陰で、台所事情は苦しく、チェロキーが唯一目標売り上げを達成しているというのも、あながち間違いでは無い状況でした。
ところが、その人気を余り快く思わない人達も居たのです。事もあろうに、それはクライスラー自身でした。自分達の車を軒並みホンダに持っていかれるのが悔しかったのです。
そして、ホンダとしても、売ったものの、あまりに故障が多く、他のホンダの車と共通性の無いメカは、サービスの現場でも嫌われることになりました。
そんな具合で、お互いの思惑の一致から、非常に上手い具合に円満離婚ということになりました。
しかし、SUVブームが既に下火になっていたこと、そして、所詮はホンダの販売力あっての人気であったため、クライスラーが販売する様になってからは、全く販売は振るいませんでした。
後に上級車種のグランド・チェロキーが発売されましたが、設計が新しい分、ネジも少なく(チェロキーは異常にネジの多い車でした)、より近代的に見えたものの、やはり品質的にには大したこと無く、修理代が高く付くことの多い車でした。修理代が何時も1000ドル(スラングで1グランド)を越えるからグランド・チェロキーなんて言われる始末でした。
写真:ジープ・チェロキー。サンタモニカにて撮影。この手は本当に見かけなくなりました。
コメント
No title
チェロキーはそんなに悪い車ではありません。
もしあなたがこの車に乗っていたのであれば、
きっとそうは書かないと思います。
2009-02-14 22:17 hide URL 編集
No title
確かに私は個人的には所有していませんが、サービスの現場で取り扱っての感想を書かせて頂いています。
例えば100台中10台がトラブルを起こせば、私たちは、故障が多いと思いますが、ユーザー側からすれば、90人の方は問題無い訳です。
その辺の感覚的なギャップはあると思っています。
そして、やはりホンダと比べて細かい作りが雑で、トラブルが多かったのも、また事実でした。
他にも、クライスラージャパンが用意したマニュアルが、英語を直訳した物であったため、翻訳ソフトを使った様な文章で、非常に読みにくかったのも、今となっては懐かしい思い出です。
2009-02-15 05:16 消え行くアメリカ車たちを追って URL 編集
No title
私はアストロを貨物車として使用しています。アメ車独特の乗り味
が気に入っていますが車自体は不出来だと思います。ですが長く乗る
には飽きもこなくていい車だと思っております。
2010-12-14 20:43 xtr**r95* URL 編集
No title
まあ、整備性は最近の車と比べると、それ程悪いとは言えないのかな・・・?でも、中途半端な姿勢を長時間強いられるのは、やはり楽じゃないですね・・・。
アストロはアメリカで使ってらっしゃるですか?
2010-12-15 10:59 消え行くアメリカ車たちを追って URL 編集
No title
アストロは日本で使用しています。
貨室の高さはもう少しほしいところですが幅があるので
なにかと重宝しています。オートバイ運搬用途です。
室内からエンジンルームへアクセスする時腰痛持ちには
つらいですね・・・
2010-12-27 16:28 xtr**r95* URL 編集
No title
当時、日本で整備をやっていましたが、結構程度が悪いものが多かったのを覚えています。そして、殆どがスタークラフトのフル装備ばっかりでした。
コチラでも、この大きさでFRというのは貴重なので、根強い人気が有ります。整備は大変ですが、大切にお乗り下さい。
2010-12-29 12:35 消え行くアメリカ車たちを追って URL 編集
No title
いつも当時のホンダサービスの方々はチェロキーにたいして批判的ですが(笑)
ハッキリ言って、知識と腕が無いだけだと思います。外車はダメ、アメ車もダメとか、特にホンダで整備されてた人がチェロキー批判すると、余計に見苦しいというか、知識不足を宣伝してるみたいで見苦しいですね!
だって、整備したらFITより壊れませんもん。
気分悪くしたらごめんなさい。
2013-09-30 16:02 ヨハン URL 編集
No title
パネルに使う螺子が皆タッピングビスだったり、パネルの間から水漏れしたり、ホンダの様な品質に慣れている日本人には、やはり異次元でした。
どの程度の整備をするかは存じ上げませんが、日本車に比べ、螺子の種類も多いですし、何といってもマニュアルが読み難い・・・英語の直訳で、意味が通じない事が多すぎました。
所詮私たちはホンダの専門家でした。そこにいきなり得体の知れない外車を持ってきて、今日から専門家になれなんて、無理ってモノです。
日本でどの程度の距離を乗っているか知りませんが、北米の様に数十万キロ当たり前に走る環境では、アメ車は明らかに耐久性に劣ります。実際アメリカ人が見捨てるんですから。
2013-09-30 17:31 消え行くアメリカ車たちを追って URL 編集
No title
何故私たちがホンダの整備が出来たか?それは、経験者が身の回りに沢山居たからです。私よりも経験のある先輩、更に経年のある先輩…と、数十年の経験の蓄積が有ったからなのです。
それと、全く新しいモデルを持ってきて、国内に経験者が殆ど居ない…当時はインターネットすら有りませんでした。状況は全く違うんですよ。それで実力不足と仰るのは失礼です。
2013-10-02 13:44 消え行くアメリカ車たちを追って URL 編集