アメリカ車の広告 93年オールズモビル・アチーバ
オールズモビル古いアメリカの車雑誌で、面白い広告を見つけました。
オールズモビル・アチーバといえば、私がかつて酷評したポンティアック・グランダムの兄弟車に当たりますが、ココでは、同クラスの車として、ホンダ・アコード、トヨタ・カムリと同時に100,000マイルの走行テストを実施し、定期点検、修理費、ガソリンや油脂類といった類も含めた諸費用のトータルで、オールズモビルがトップに立った・・・ということを誇らし気に宣伝しているのです。
このテストの特徴は、テストコースの走行テストでは無く、ごく一般的な道路で、一般的なドライバーが運転したということが謳われています。
コレは凄い・・・オールズモビルが一番!!!
・・・と思いたいところですが、実際のところはどうでしょう?
ココで更に目を凝らしてみましょう。
右下の表のしたに、実に興味深いことが書いてあります。
テストに使用した車ですが、
アチーバ・・・・2種類のグレードを、それぞれ3台ずつ(2.3リッターSOHC/ 2.3リッターDOHC)
アコード・・・・アメリカ製2.2リッターSOHCエンジンを3台
カムリ・・・・2.2リッターSOHCエンジンを2台
この様なテストの場合、公正をきたすため、まず全車種同じ台数で、例えばエンジンは一種類といった具合に統一することが求められます。
車に限らず、あらゆる製品にバラツキというものは避けて通れません。台数が多ければ、例えば一番良い値を示した車を選択する場合、有利に働きます。
そして、各車複数台をテストした訳ですが、その中のどれの値を示しているのかが明記されていません。
例えば一番良い値の車なのか、悪い値の車か、それとも平均値なのかによっても、結果は大きく異なってくるでしょう。
ましてや、自社の一番良い値、他社の一番悪い値なんてことをやるなら、それこそ論外です。
その辺の条件が明記されてない以上、一見非常に魅力的なこの数字・・・全く意味を持たないものになってしまいます。
実際のところ、今日北米で93年型アコードやカムリを見かけることは珍しくないですが、アチーバ及びその兄弟を見ることは極めて希です。
そして、修理現場での印象として、特にGMのDOHC4気等エンジンに良い印象は全く有りませんでした。
あと、100,000マイルをどの程度の時間を掛けて走行してか?によっても全く結果は違うのです。車の耐久性を問う上で、例えば1年100,000マイルなんていうのは、正直余り一般人にとって参考になる値では無いのです。
この車が92年に発売されたことを考えると、この耐久テストも、どんなに長く見積もっても、1年は行われていません。
1年10万マイルで良い成績を残した車が、5年10万マイルで良い成績を残すか?コレは全く別問題なのです。それだけ車のテストというものは、「時間」という要素が加味されているが否かが極めて重要なのです。
加えてトヨタとホンダを擁護するとしたら、短期間とはいえ10万マイルという走行距離から、タイミングベルトの交換によって費用が余計に掛かっていることも考えられます。オールズモビルはタイミングチェーンを使っているため、交換作業は不要です。
どの分野でもそうですが、白人社会の情報を読むに当たって、隅に小さく書かれている事こそ大切だということを覚えておきたいものです。
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コメント
No title
全ての操作機器がここにあるはずという場所にあって、当時駐在中の出張先では可能な限りレンタカーはアチーバを選んでいました。
勿論トラブルは一度もありません。
自家用にはビュイックセンチュリーV6 3.1Lで4年間10万マイル走りましたがトラブルゼロでした!
2019-05-02 04:22 Yoshinochizu@yahoo.co.jp URL 編集
No title
私も乗り易いという面は否定しません。
しかし、レンタカーというのはほとんど新車状態です。ソレが良いというのはある意味当たり前であって、グランダム等の兄弟車も含め、著しい現存率の低さ、要するにコレは耐久性が低いという事なのです。
4年10万マイル程度なら、アメリカならそんなに多いとは言えません。しかし、この辺りもある程度の年数が経つと、恐ろしく手間が掛かる割に市場価値が極めて低いという事で、軒並み廃車になったのです。
現在、アメ車のセダンが絶滅状態なのでしょうか?外野の日本人がどうこう言おうと、現地のアメリカ人の多くが愛想尽かしたという事なのです。
2019-05-02 04:47 消え行くアメリカ車たちを追って URL 編集