コレは・・・何のエンジン?
シボレー昨日バンクーバーの市街を歩いていたら、あるピックアップトラックの荷台に、不思議な形をしたエンジンの部品を見つけました。
最初の写真の通り、左右両側にスタットボルトが出ていること、そして左右両方に3つづつ穴があること・・・この辺りから、水平対向6気筒であることが想像出来ます。
何処と無くバイクを思わせる構造ですが・・・・。
その荷台には、何個も同形のエンジンが積んであり、よく見ると、シリンダーが付いたままのものもありました。
・・・何と・・・空冷エンジンです!!
そして、クランクシャフトの真上に、ギヤ駆動でカムシャフトがあるところを見ると、OHVエンジンであることが判ります。
空冷の水平対向といえば、フォルクスワーゲン・ビートルが有名ですが、アチラは4気筒・・・。
空冷の水平対向6気筒・・・・ポルシェ911???・・・・いえ、ポルシェはOHVではないはず・・・。
なんて考えていて、想う浮かんだのが、あのシボレー・コルベアでした。
50年代後半頃から、アメリカの家庭では、2台目の車を持つ様になってきました。ファーストカーとしては当然アメリカ車で、そして2台目に、安価で経済的な小型車が選ばれたのですが、その中で最も人気があったのが、フォルクスワーゲン・ビートルでした。
そのアメリカ版と言えるのが、このコルベアで、リアに空冷4気筒のエンジンを積むワーゲンに対して、コチラは6気筒を積んでいました。
ところが、このプラス2気筒のお陰で、前後の重量バランスが悪くなり、ハンドリングに問題のある車として、後に消費者運動家として名を知られるようになるラルフ・ネーダーに槍玉に挙げられることになったのです。
それまで車の事故はイコール運転手の責任と思われていただけに、事故に対してメーカーの責任を問うというのは、正に前代未聞の出来事でもあったのです。
そして、当時のGMといえば、アメリカ市場の半分、世界の1/4を占める超優良企業であり、「GMにとって良いことは、アメリカにとっても良い事」などと言われる程の存在であっただけに、一介の弁護士如きが、GMに歯向かうとは・・・と、探偵を雇い、ネーダー氏を尾行させたのです。
結局その行為が暴露され、GMは莫大な慰謝料をネーダー氏に支払うと共に、大きく会社のイメージを傷付けることとなり、結局コルベアは改良を受けたものの、再び人気が戻ることも無く、生産中止に到りました。
翌1966年、それまでメーカー独自の判断に任せていた安全基準を、FMVSSとしてアメリカ連邦政府が関わる様になり、以降飛躍的に車の安全性が向上することになりました。
GMを破綻に追い込んだ官僚主義、腐敗は、この頃既に水面下で進行しており、それを最初に印象付けたのが、この「コルベア事件」でした。
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コメント
No title
2010-06-18 12:52 monashee61(Ban) URL 編集
No title
殆ど同じ様な状態の物が5台も・・・不思議な集め方ですよね?
2010-06-18 15:01 消え行くアメリカ車たちを追って URL 編集