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コレは・・・何のエンジン?

シボレー
06 /18 2010
昨日バンクーバーの市街を歩いていたら、あるピックアップトラックの荷台に、不思議な形をしたエンジンの部品を見つけました。
 
最初の写真の通り、左右両側にスタットボルトが出ていること、そして左右両方に3つづつ穴があること・・・この辺りから、水平対向6気筒であることが想像出来ます。
何処と無くバイクを思わせる構造ですが・・・・。
 
イメージ 1
 
その荷台には、何個も同形のエンジンが積んであり、よく見ると、シリンダーが付いたままのものもありました。
・・・何と・・・空冷エンジンです!!
 
そして、クランクシャフトの真上に、ギヤ駆動でカムシャフトがあるところを見ると、OHVエンジンであることが判ります。
 
イメージ 2
 
空冷の水平対向といえば、フォルクスワーゲン・ビートルが有名ですが、アチラは4気筒・・・。
 
空冷の水平対向6気筒・・・・ポルシェ911???・・・・いえ、ポルシェはOHVではないはず・・・。
 
なんて考えていて、想う浮かんだのが、あのシボレー・コルベアでした。
 
イメージ 3
 
50年代後半頃から、アメリカの家庭では、2台目の車を持つ様になってきました。ファーストカーとしては当然アメリカ車で、そして2台目に、安価で経済的な小型車が選ばれたのですが、その中で最も人気があったのが、フォルクスワーゲン・ビートルでした。
 
そのアメリカ版と言えるのが、このコルベアで、リアに空冷4気筒のエンジンを積むワーゲンに対して、コチラは6気筒を積んでいました。
ところが、このプラス2気筒のお陰で、前後の重量バランスが悪くなり、ハンドリングに問題のある車として、後に消費者運動家として名を知られるようになるラルフ・ネーダーに槍玉に挙げられることになったのです。
 
それまで車の事故はイコール運転手の責任と思われていただけに、事故に対してメーカーの責任を問うというのは、正に前代未聞の出来事でもあったのです。
 
そして、当時のGMといえば、アメリカ市場の半分、世界の1/4を占める超優良企業であり、「GMにとって良いことは、アメリカにとっても良い事」などと言われる程の存在であっただけに、一介の弁護士如きが、GMに歯向かうとは・・・と、探偵を雇い、ネーダー氏を尾行させたのです。
 
結局その行為が暴露され、GMは莫大な慰謝料をネーダー氏に支払うと共に、大きく会社のイメージを傷付けることとなり、結局コルベアは改良を受けたものの、再び人気が戻ることも無く、生産中止に到りました。
 
翌1966年、それまでメーカー独自の判断に任せていた安全基準を、FMVSSとしてアメリカ連邦政府が関わる様になり、以降飛躍的に車の安全性が向上することになりました。
GMを破綻に追い込んだ官僚主義、腐敗は、この頃既に水面下で進行しており、それを最初に印象付けたのが、この「コルベア事件」でした。
 
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コメント

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No title

レストアでもしてるんでしょうか?

No title

レストアする程大切にしている様にも見えませんね・・・。今日も同じ所にそのままでした。
殆ど同じ様な状態の物が5台も・・・不思議な集め方ですよね?

americancars4ever

アメ車のブログとして開設して13年目、車以外にも様々な身の回りの話題を取り扱っています。