現在のリムジン事情 フォードF-550トラック偏
リムジン、特殊車両かつて、アメリカのリムジンと言えば、キャデラックやリンカーンのフルサイズカーと相場が決まっていました。別体式フレームを持つ車体構造が、ホイールベースを延長するのに好都合であったからですが、96年にキャデラック・フリートウッドが生産中止になると、リンカーン・タウンカーが市場を独占してきました。
そして90年代、アメリカの高級車市場に、新しい流れが生まれました。それは、4輪駆動車(SUV)が高級車として認知され始めたことです。かつてダウンタウンのメインストリートに停めてあるSUVと言えば、農夫が買い物に来た・・・と相場が決まっていたところが、お洒落な高級車として、選ばれる様になったのです。そして、キャデラックやリンカーンまでもが、この市場に参入するに至りました。
こうして新しい高級車が市場に認知されるに従い、その流れは、リムジン市場にも影響を与える様になりました。その中でも先陣を切ったのが、ハマーのリムジンでしょう。
2005年にアメリカを訪問した際、初めてその姿を見かけましたが、今回の訪問では、更に車種が多様化している様に思いました。
そして、その極めつけが、写真のフォードF-550トラックでした。異様な程の長さもさる事ながら、ピックアップトラックをリムジンに・・・という必然性から考えたら、誰も作らないであろうソレが、現実に作られているという事実に、驚きました。
ソレが、お洒落に街中に溶け込んでいるのが、何とも不思議なものです。
昨今、安全性の問題で、衝突時、適度に車体を潰した方が、衝撃吸収に良いという理由から、頑丈な別体式フレームは、敬遠される様になりました。三菱パジェロがモノコックになった様に、SUVの中でも、その流れが加速しつつあります。
リンカーン・タウンカーの余命も長くは無いと思われる今日、リムジン市場は、その将来を模索している時代なのかも知れません。
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